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 戦国武将の中でも高い人気を誇る真田幸村こと、真田信繁。その猛将ぶりは、数多くの軍記物や小説で描かれている。今年の大河ドラマは、そんな信繁が生涯を賭けて守ろうとした真田家にスポットを当てている。

 タイトルは『真田丸』 生涯最大の敵で、幾度となく戦いを繰り返し、『大坂夏の陣』では切腹を決意するまで追いつめられる、のちの天下人。ライバル・徳川家康を演じるのは内野聖陽。

「家康といえば、天下をとったあとの老獪な“狸親父”のイメージが普通に思い浮かぶかもしれません。でも今回は周囲の武将たちの成長も描きたかったんです。

 家康もいろいろな思いをして、成長してきたのだと思います。本人も最初から天下をとろうと思っていたわけではないし、とれると思ってとったわけでもない。苦悩しながら、いろいろやっていて、結果的にとれたと。そんな家康には内野さんが適役だと思いましたし、信繁の敵としていちばんふさわしいかなと」(屋敷陽太郎チーフプロデューサー)

 こう期待を寄せられた内野は、三谷の書き上げてきた家康のキャラクターについて、こう語る。

「あまりにも破壊的な家康像を突きつけられました。読んでいるうちに、思わず台本が手から滑り落ちそうになりました(笑い)。奇想天外な家康が現れると思います。

 自分としては、家康が持つ戦国武将としての威厳や力強さを表現しながら、三谷さんの家康を存分に楽しんで遊びたいと思っています」

 三谷幸喜が描く戦国。史実に即しながらも、何かオリジナル要素があるのでは? と期待してしまうのだが……。

「『新選組!』のときもそうでしたけど、歴史の中のこぼれ話みたいなものを非常に上手にすくっていかれる方なので、それぞれのキャラクターに合わせた物語を面白く作られているな、と台本を読みながら思っています。そこは存分に期待していただきたいと思います」(屋敷CP)

 気になるのが、一般に知られている“幸村”ではなく主人公が信繁と名乗っていること。

「単純に、当時の資料には信繁という名前しかないと聞いていますので、まずは信繁から物語をスタートさせていこうと思っています。ただ、最後まで幸村を使わないと決めたわけではありません。

 幸村という名前が後世に残った理由が何かあるかもしれないと思っていまして、そのエピソードを面白く生かせることができるなら、使っていくかもしれません」

 50余年の歴史を誇る大河ドラマにあって、最も人気の高い戦国時代。弱肉強食の世を信繁がどう渡っていくのか? 堺はこう語る。

「今回の真田家の話は、例えば中小企業の社長がどんどん業績を伸ばすような、右肩上がりの物語ではないんです。

 地元の商店街が、大型スーパーの出店に怯えながら、どうやって商店街を守っていこうかということなんです。高度経済成長のお話ではなく、むしろマイナス成長のときに、愛と希望と信念を持って、守り続けていく。そういうお話になるんじゃないかと思っています。

 みんなを引っ張っていくというより、僕自身も一緒に翻弄されていくというか、物語をともに見ていく。イケイケドンドンのストーリーより、日本の“今”に合っているドラマになると思います」

『真田丸』(総合テレビ・日曜午後8時~、BSプレミアム・日曜午後6時~、《再放送》総合テレビ 土曜 午後1時5分~)