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 1960年代に始まった昼の帯ドラマ、通称・昼ドラは、テレビ各局合わせて1100作品以上が制作され、多くの役者が出演した。そんな中で、デビューを飾り、子役として活躍した、あの人たちをプレーバック。

 半世紀以上にわたって放送された東海テレビの昼ドラに続いて、長く愛されたのが、『ポーラテレビ小説』と『花王 愛の劇場』だ。

 『ポーラテレビ小説』は、'68年~'86年の18年間で38作品、『花王 愛の劇場』は'69年~'09年の40年間で259作品が制作され、ともにTBS系で放送された。

 日本より先に、昼ドラが放送されていたアメリカでは、“ソープオペラ”と称された。視聴者層が主婦をターゲットにしていることから、ドラマのスポンサーに、石けんや洗剤の会社が多かったことが理由といわれる。

 当初は、日本でも洗剤や化粧品のメーカー名が番組の冠につくことがあった。ちなみに、『ポーラテレビ小説』は'84年4月以降、『花王 愛の劇場』は'99年10月以降、番組タイトルから名前がはずれた。

 “昼メロ”“よろめきドラマ”ともいわれた中、『ポーラテレビ小説』は、NHKの朝ドラ同様に、女性を主人公にした作品で、新人女優の登竜門としてスタート。

 歴代ヒロインを演じた女優には、丘みつ子、音無美紀子、中田喜子、岡江久美子、名取裕子、樋口可南子、宮崎美子、賀来千香子といった、現在も活躍する錚々たる顔ぶれが、名前をつらねている。

 『お登勢』『お美津』『おゆき』『おゆう』といった、ヒロインの名前をタイトルにした作品が特徴的。『文子とはつ』(香野百合子、藤真利子主演)には、はつ役オーディションを受け、最終選考に残った浅野温子(当時16歳)が、脇役で出演し、好演した。

 『花王 愛の劇場』は、岡江が主演した『天までとどけ』、『大好き!五つ子』(森尾由美主演)、『温泉へ行こう』(加藤貴子主演)などシリーズもののホームドラマやコメディー作品が放送され、『週刊女性』の昼ドラ人気アンケートでもベスト10にランクインしている。

 人気脚本家の宮藤官九郎は'05年に雑誌の対談で「月曜の9時はやりません(笑い)。昼ドラやりたいです」と話し、翌年、斉藤由貴主演『吾輩は主婦である』の脚本を担当。『木更津キャッツアイ』『タイガー&ドラゴン』をヒットさせた磯山晶プロデューサーとのコンビによる、初の昼ドラとして話題を集めた。

 NHK大河ドラマや朝ドラに主演し、紅白歌合戦の司会も務め、国民的女優に成長した井上真央は、子役で『キッズ・ウォー』シリーズに出演している。