女子戦の開会式ではコスプレなどで盛り上げる選手も

 日本中央競馬会(JRA)で16年ぶり、史上7人目の女性ジョッキーとして誕生した藤田菜七子騎手の人気が止まらない。3月3日に川崎競馬で騎手デビュー、同月5日にJRAデビューを果たすと、一目見ようと多くの来場者が訪れ、売り上げも大幅アップしたと伝えられた。

 また大手芸能プロダクション・ホリプロへの所属も決定。有村架純が出演する大王製紙『elis』のCMにも起用されるなど、菜七子フィーバーは加熱する一方だ。

「武豊以来のスター騎手の誕生と、関係者、ファンともに期待していますね。ルックスばかりがフィーチャーされますが、そのスタートセンスは光るものがあります。またデビュー後5年までの見習騎手は、減量特権(通算30勝以下の騎手なら3㎏軽い状態でレースができるといったハンデ)があるのも魅力。菜七子騎手に乗ってもらいたいと考えている馬主も多いそうですよ」(競馬関係者)

 可愛すぎる騎手の誕生で沸く競馬界だが、競馬に限らず公営競技では女子選手はドル箱。2015年度の売り上げが、11年ぶりに1兆円を突破したボートレースがその代表だ。

「ここ10年ほど、SGやGⅠという大きな大会でも活躍できる強い女子選手が台頭してきたこともあり、女子戦の売り上げが伸びていますね」(ボートレース振興会・広報担当者)

 ボートレースは男女が一緒に戦う数少ない競技だが、女子選手だけで戦う“女子戦”は、ボートレースの売り上げアップに一役買っている。

 GⅢというランクに位置づけされる『オールレディース』の2015年度の売り上げが約620億円に対し、その他のGⅢレースの売り上げは約460億円。その人気の差は歴然だろう。

「ボートレーサー1603人に対して、女子選手は214人(4月20日現在)。数が少ない分、選手の特徴も覚えやすいのでファンも舟券を買いやすいのかもしれませんね」(前出の担当者)

 また、ボートレースに詳しい記者はこう語る。

「男子選手の中には“俺らは女子選手に食わせてもらっている”と自虐的に言う選手もいるほど。開会式では新人選手でも、男子のトップ選手並みにプレゼントをもらうことも珍しくありません。美人選手の写真集が発売されるなど、アイドル化も進んでいますね」

 ボートレースの女子選手人気を受けて、オートレースでは2011年、44年ぶりに女子選手が誕生。競輪は2012年にガールズケイリンを復活させた。

 近年、売り上げ低迷が叫ばれる公営競技。競馬だけでなく、公営競技復活の鍵は女子が握っているようだ。