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 視聴率的に苦戦している作品の多い春ドラマ。ドラマウォッチャーとして知られる辛口評論家・今井舞氏に、春ドラマを斬ってもらった。

 中谷美紀主演の『私 結婚できないんじゃなくて、しないんです』(TBS系)は、美人でチヤホヤされてきて、それなりに金もあるアラフォー女医が、藤木直人演じる料理人から恋愛術を指南されるというストーリー。

「これって片岡愛之助が金髪で怪演して、私が好きだった『LOVE理論』('15年/テレビ東京系)の女性バージョンだと思ったら原作が同じ人……っていっても、見ていた人はごく少数ですよね(笑)。ただ、こういうコント的な見せ方ってアリで、ドラマというより藤木のご託宣を聞く恋愛セミナーを受講する感じで見たらいいかと」

 前田敦子の『毒島ゆり子のせきらら日記』(TBS系)は、ラブシーンがメインで、ストーリーが添え物になっていると嘆く。

「ラブシーンをやってくれる若い女優がいない中、前田がやるっていうのは、ある意味スキマ産業的な選択かもしれないですが、女優として成長する前からそこに特化か、と。“いいイス見~つけた!”感がアリアリ。相武紗季の紆余曲折とありがたみと腹のくくり方を見習え、と言いたいですわ」

 今井さんが心配するのは、剛力彩芽主演の『ドクターカー』(日テレ系)。

「剛力主演ドラマって必ず作らないといけない協定でもあるんでしょうか? 泥に叩きつけられるなどの安っぽいベタな迫害シーンがあったので、どうしても剛力主演で作りたいなら、いっそ振り幅を大きく昔の大映ドラマみたいな作りにしたらどうです?」