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 良好な夫婦関係を保つためには、何か特別なことをするよりも積み重ねが肝心。そこで日ごろからできること、心にとめておくべきポイントを延べ2万人以上の夫婦のお悩み相談に答えてきた夫婦問題カウンセラーの木村泰之さんにレクチャーしてもらった。

■無理に一緒に過ごすより、ひとり時間を肯定して楽しむ

 夫とふたりで過ごしたくないなら、無理に合わせようとせず、お互いひとりの時間を持ってOK。ただし、そのときには「好きなところに行ってきていいよ、私も今日はやることがあるから。夕食はちゃんと用意しておくね」と、夫に一緒にいなくていいことを肯定的に話すことが大切です。

■結婚前に関わった人に再会し、本来の自分を取り戻す

 女性は人間関係が固定しやすいこともあり、夫婦の期間がある程度長くなると、自分の人生が結婚後から始まっているかのような感覚に陥ってしまいがち。

 そんな状態から脱するには、家族や学生時代の友人など、結婚前に関わっていた人たちと接点を作り、自分自身を見直してみましょう。それにより、そもそも持っていた自分の人生観を思い出し、夫婦に対しての考えもリフレッシュできます。

■運動を通じて外へ出て日々新たな発見を

 散歩でもジョギングでもいいので、外に出る機会を作ることも必要です。外に出ることで街の変化や会った人との会話など、何かしら新しい発見があるはず。そんなちょっとしたことから夫婦の会話が広がり、「じゃあ今度、そのレストラン行ってみようか」と新たなアクションのきっかけになることも。

■自分が好きなことについて情報を集め知識をチャージ

 身体のケア、食、観光地、資産運用……ジャンルは何でもいいので、夫に関係なく自分が好きなことについて情報収集し、詳しくなってみましょう。集めた情報も「聞いて、聞いて」とひけらかすのではなく、ふとしたときに楽しそうに夫に教えてあげれば、夫婦の会話が弾むきっかけになります。

■夫婦を客観的に見ている子どもの目線を意識する

 夫婦に問題が起こると、夫婦間のことばかり考えてしまいがちですが、実は子どもほど身近で自分たちを客観的に見ている人間はほかにいません。そんな子どもが自分たちをどう見ているかを常に意識し、その声に耳を傾けること。子どもは別と考えるのではなく“家族として”どうしていくかが重要です。

■無理にする会話より独り言のほうが関心を生む

 夫と会話することにこだわらず、同じ空間で別のことをやっているほうがいい距離感を保てます。直接話しかけるよりも、何かに夢中になって自然に出る独り言のほうが、夫は関心を持つもの。また、妻が自分のやりたいことをやっていると、夫にとっても精神的にラクなのです。

■毎日できる小さな気配りを積み重ねていく

 日ごろ忙しくしているなかで、お互いほんの少し気を配るだけで夫婦の仲は違ってきます。1つか2つでいいので、パートナーに気を配ることを実践してみましょう。

 毎食健康にいいものを出す、白髪のチェックをしてあげるなど、小さなことでかまいません。その気配りが積もっていけば、受けるほうはありがたく感じます。

イラスト/きくちもも