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 生活習慣病の予防や早期発見のために欠かせない健康診断。定期的に足を運びたいところだが、健康診断を無料で受けられる健康保険組合などに未加入の人にとっては、家計の負担を考えるとなかなかそうもいかない。そこで市区町村などの自治体による無料、または1000~2000円程度の安い値段で健康診断を受ける人は少なくない。

 ところが自治体の健康診断は、“40歳以上”“妊娠中”“生活保護者”など、受けられる人の条件が限定されていることが多い。そういった背景を受けて、昨今は自治体が社団法人などとタッグを組むことで、より多くの人に、よりおトクに、身体の健康状態をチェックできる場を開催する機会が増えつつある。

 例えば、健康増進や街の活性化にかかわる社会活動を支援する一般社団法人「まちかど健康づくりネットワーク」(東京都千代田区)では、3月に東京都新宿区が開催した「女性の健康週間」イベントで、“からだのケンサ体験パーク”なる企画を協力し、他とは一線を画す充実した内容の健康イベントとして作り上げた。

 このイベントでは、健康診断だけでなく、タレントの向井亜紀さんによる「夢が生きるチカラになる!」と題した特別講演を開催。自身のがんとの闘病を振り返り早期発見の大切さを訴えた向井さんは、検診でがんが発見された場合の自分との向き合い方として「闘病中は自暴自棄になる人も多い。未来の自分をイメージして心を明るくすることが大切」としてアドバイスを送るなど、子育てをしながら病気と闘うママさんたちにエールを送り、来場者から強い関心を集めていた。

 その他、新宿区からの委託を受けて実現した内容は、多岐に及ぶ。骨密度測定、血管年齢測定、視力測定、眼圧測定などの健康チェック&相談はもちろんのこと、小顔・リフトアップマッサージ教室など女性にはうれしい“体験参加型”イベントも目白押しなのだ。

 女性専門の美容鍼灸院「ハリジェンヌ」院長である光本朱美さんが、フランス流の顔筋エクササイズを直々に教えてくれたり、「野菜を摂ろう!」セミナーでは、厚生労働省が推奨する1日の野菜摂取量350gを美味しく摂るための方法を紹介(受講者は美味しい野菜スムージーの試飲までできる!)したり、豆腐マイスターによる豆腐手作り教室&できたて油揚げ試食会が行われるなど、健康チェックに行ったつもりが、美容や生活改善のお役立ち情報まで体験できるのだから驚きだ。

 無料であるだけでなく、夫婦一緒に来場した男性も受診できるとあって、こうした自治体コラボのイベント型健診を積極的に活用すれば、普段、病院や検査機関に行って自分の身体のことをチェックする機会がない人も、“おトクに楽しく”自分の身体と向き合えるはずだ。