20160614_10P_2

 農業王国・熊本を襲った地震から1か月半。毎日の食卓に欠かせない野菜の値段が気になるが、自分で育てれば世の中のあおりを受けずに、おいしい野菜が毎日楽しめる。

 16歳でモデルデビュー。現在はEテレ『趣味の園芸 やさいの時間』の司会ほか、農業で地域おこし&人と人をつなぐ『農縁プロジェクト』も主宰している川瀬良子さんに話を聞いた。


 プランターで野菜作りをするようになったのは7年前からです。ちょうどEテレ『趣味の園芸 やさいの時間』の司会に決まって。家でもやるようになったら、完全にハマりました。7年目っていうと、すごくやっている感じがするんですが、毎年、春に植えつけて夏に収穫するので、まだ7回しかやってないんです。

 そもそも私、サボテンを枯らすほどの栽培オンチ(笑)。今でも、花瓶に生けた花は枯らしたりします。でも、野菜だと水やりを忘れないんですよね。基本、食いしん坊なので「何とかこの子を上手に育てて、食べる!」みたいな気持ちがあって(笑)。

 虫がわいたり、葉っぱが枯れたりしても、何とか実はつくし、収獲して食べるとすごくおいしかったりするので。雹が降ってボキボキに折れたトマトも、最終的にはほかの子以上に元気に育ってくれて。そんな感動を味わうと、やめられないのかもしれません。

 それに、自分で育てると、毎日様子の変化を楽しめるんですよ。大人になると、日々の生活にあまり変化がなくなると思うんですが、野菜をひとつ育てるだけで「昨日はなかったつぼみがついた!」「背が伸びた!」とか。すごく楽しいです。

 収獲場所はベランダですから、新鮮そのもの。そして、無農薬。収獲して食べる楽しみを覚えると、どんどん野菜作りが楽しくなると思います。園芸資材は100円ショップでしっかりそろいます。もちろん、かわいいプランターを用意したり、おしゃれな長靴ひとつ買うだけでも、作業が楽しくなると思います。

 今年は“レギュラーメンバー”のミニトマト、ナス、ピーマン、バジル、大葉の植えつけをしました。6月には小玉スイカもやろうと思っています。 時には失敗もするんですけど、野菜自身が育つ力を持っています。

 ちょっとくらい水やりを忘れても大丈夫だったりしますから、あまり気負わず、「意外とハードルは低いよ」ってわかってもらえたらうれしいです。

『川瀬良子のプランター野菜』(1200円/主婦と生活社)川瀬さんがベランダで育てた野菜14種類を紹介。失敗談や園芸ファッションまで盛りだくさん。