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 昨年末に投稿されたこのツイートをめぐって、今インターネット上でちょっとした論争が起きている。

《妊婦リカちゃん、同封されているハガキを送るとリカちゃんのお腹をあけるカギと赤ちゃんが送られてくるシステム 斬新すぎて狂気を感じる》

 『リカちゃん』は日本を代表する“着せ替え人形”。日本人なら知らない人はいないといっても過言ではない。

 '67年に誕生、現在までの販売数は5300万体以上に及ぶ大ベストセラー人形だ。着せ替え人形なので、衣装を替えることでさまざまなシチュエーションや職業を選べ、女の子のいわゆる“ごっこ遊び”の世界を表現している。

 “妊婦リカちゃん”の正式名称は『こんにちは あかちゃん』という。発売されたのは'01年のこと。当時の発売元であるタカラ(現タカラトミー)の資料にはこう書いてある。

《2002年の『リカちゃん』誕生35周年記念に先駆けて企画された商品で、『リカちゃん』が次の世代の子どもたちに“夢”や“願い”を託すメッセンジャーとして発売するものです》

 '01年といえば、皇太子妃雅子さまがご懐妊した年。タカラはそれに便乗したわけではなかったようだ。

「いいタイミングでしたから『こんにちは あかちゃん』はバカ売れ。常に品切れ状態でした」(コレクター)

 『こんにちは あかちゃん』の人気の秘密はほかにもあった。それは冒頭のツイートにあるように画期的な赤ちゃん誕生システムだ。

「『リカちゃん』の大きなお腹を小さくするためのカギと赤ちゃんと一緒に、母子手帳と産後ショーツも送られてきて、そこにはシュールな世界が広がっていました」(コレクター)

 究極の“ごっこ遊び”とも言えるが、ここで1つ問題が。それは『リカちゃん』は年齢が11歳という設定になっていること。そして、それは今でも変わっていない。

 発売当時に、“小学生が妊娠って、どういうこと”と思った人も少なからずいたようだが、今ほどインターネットが普及していない時代でもあり、話題に上がることはそれほどなかった。困惑ぎみに語るのはタカラトミーの広報だ。

「クレームの電話などはありませんでしたし、現在も問い合わせなどはありません」

 しかし今、冒頭のツイートで、初めて“妊婦リカちゃん”の存在を知った人や、当時商品を購入した人たちの間で、《待て待て、リカちゃんは11歳だろう》《深く考えないでママごっこするものだと思うけど……》とか、あげくの果てには、《子どものお父さんは誰だ》と論争が勃発。

 “妊婦リカちゃん”は再び注目されることに。ただし、この商品はすでに販売が終了しており“幻のリカちゃん”となっている。

 そのため今回のツイートがきっかけとなり、オークションでの相場も急上昇、現在は発売当時の3倍近い1万円前後の値がついている。