????????

 ママがブログで「保育園落ちた日本死ね!!!」と訴えたことをきっかけに、全く解消しない待機児童問題への怒りが燃え上がっている。

 厚労省の保育士対策係によると、今年1月の保育士の有効求人倍率は全国平均で2.44倍。最も採用しにくい東京で6.24倍だった。

 認可保育施設の待機児童は昨年4月時点で全国2万3167人おり、政府は潜在需要なども含めて'18年3月までに50万人分の受け皿を用意するとしている。9万人の保育士が必要だ。

 '14年の保育士の有資格者は約125万人いる。そのうち保育園で働いているのは常勤換算(8時間労働)で約39万4000人。差し引き85万人以上の潜在保育士がいる。

 ただし、職場復帰が難しい高齢の有資格者や、保育士資格を持つ幼稚園教諭もいるから、中途半端な支援策では保育士不足は解消しそうもない。

 カムバック経験を持つ職歴14年の同園・大賀ナナ江保育士(42)は「ひとり暮らしをするには厳しい賃金水準です」として次のように話す。

「給料から社会保険や健康保険、家賃、光熱費、食費を引くとほとんど残らない。安い化粧品を使いスマホの料金プランはみっちり研究している。ブランド物は買えないから欲しいと思いません」

 男性保育士はいないので重労働もこなす。多様な保護者対応も求められる。それでも「子どもが好きだから」(大賀さん)と続けている。

 匿名ブログを最初に国会で取り上げた民主党の山尾志桜里衆院議員は、「保育士さんが誇りを持って仕事を続けられるようにする。これを抜きにして待機児童問題の解決はありません」と訴える。

「民主党は今国会で、保育士の給与を上げる法案を出すと決めました。子どもは未来。保育士は未来を育てる専門職です。まず、社会の認識をそう改めなくてはいけない。

 政府は、保育士になろうとする人の学費を援助するとか、復職する保育士に20万円あげてお茶を濁そうとしていますが、ピントがずれている。平均賃金より10万円も安い給与では続けられないんです」

 山尾議員は、5歳の息子を認可保育園に預けられず、認可外に預けて議員活動している。

 「私は預けられる環境にあるだけいいほう」と控えめだが、全国の子どもと母親の代わりに議員バッジをつけて国会で質問に立っているという気概は忘れない。だから、ヤジられても一歩も引かない。

 そんな山尾議員が「風向きは変わってきました」と話す。

「いろんな立場の女性の小さなアクションがつながり、雪だるま式に大きくなって国会を動かしたんです。ブログを書いた人がいて、事務所のインターンの女子大生が“これを質問してほしい”と背中を押してくれた。

 匿名をヤジる声に対して“名乗るよ”と立ち上がった人がいて、ベビーカーを押して国会まで来てくれる人がいた。私はプレーヤーのひとりになれて光栄です。あの首相答弁やヤジは何だったのか。

 塩崎厚労相は、ママたちが保育制度の充実を求めた署名を受け取り、“保活”の実態調査も約束しました」

 わずか6日間で集まった署名は2万7682人。「受け取らないなんて言わせない気持ちだった」という。

「塩崎厚労相は“安倍首相と山尾議員は全く同じ方向を向いて、全く同じ思いだ”と言う。“勘弁してくれ”と言いましたが、本当に同じ思いならば、私たちの出す法案に賛成してほしい。保育士の給与の上げ幅を一生懸命積み上げて、いい法案にしたい」