竹野内豊主演、バカリズム脚本で人気を博した連続ドラマのスペシャル版『素敵な選TAXIスペシャル~湯けむり連続選択肢~』(フジテレビ系)が4月5日(火)夜9時~放送される。そこで脚本を担当したバカリズムに話を聞いた。

「普段コントの台本を書いているので、ドラマの脚本を書くのもそんなに変わらないですね。この作品で何か伝えたいというメッセージはなく、楽しいお話にしようという企画ですし」

 3月に放送された4夜連続企画ドラマ『桜坂近辺物語』(フジテレビ系)でも脚本を担当。『素敵な選TAXI』同様、同じ設定でバリエーションを持たせる脚本には定評がある。

「それはもう、僕の武器ですね(笑)。『桜坂近辺物語』は30分という時間、一話完結という縛りがある中で書かなければいけなかったし、車内だけで成立させなきゃいけないと。でも毎年、単独ライブをやっていて、7~8本ほど飽きないように書き分けるというのをやってきたので、こういうパターンは割と慣れていますね」

 今回のスペシャル版では、竹野内演じる主人公・枝分がアニメ好きなど、素顔が少し明らかになっている。

「もともと漫画が好きだったり、ひとつのことにものすごくこだわりを持っているキャラクターなので、アニメ好きでもおかしくはないかなと」

 男前でクールな外見に似合わず、飄々としてどこかお茶目な枝分。脚本家・バカリズムから見た枝分の魅力とは?

「これだけ男前なのに、ずっと見ていると変な人に見えてくるんですよね。男前というのがまったく気にならなくなってくる。どこか抜けていたり、すごくスケールがちっちゃかったりとか(笑)。そう感じさせてくれるのは、竹野内さんの凄さですよね」

 すっかり脚本家としてもポジションを確立した感があるが、書く作業に関しては「大変」だと本音を漏らす。

「書いているときはすごく大変ですね。ただ、書きあがったモノに関しては楽しかったなと思います。たぶん作品ができあがって映像で見た時の感動とかもプラスされるからなんでしょうね。ほかの人が食事したり休憩している時間を執筆にあてなければならないので、スケジュール的にも大変でした」

 昨年は同じお笑い芸人の又吉直樹が『芥川賞』を受賞して話題になったが、バカリズム自身は小説家という選択肢はないようだ。

「僕自身が小説をほとんど読んだことがないこともあって、書き方がわからない。このドラマでは、ノベライズも担当したんですけど、それは脚本を小説に直しただけなので。僕は映像化されるという楽しみがあるから脚本を書くことは頑張れるけど、小説家は無理ですね」

 スペシャル版では、枝分のテンションもスペシャルになっているようだ。

「スペシャル版ということで豪華キャストになっていますが、枝分さんがスペシャルということで、ちょっとはしゃいでいます(笑)。連ドラを見ていた方は、そんなテンションの違いにも注目してみてください。初めて見る方は、これを見た後にDVDで連ドラ版を見ていただければ、また楽しめると思います」