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 話題の大河ドラマ『真田丸』。これからの鍵を握るこの人に直撃インタビュー。昌幸に寄り添い、真田家のためにその身を捧げている素っ破の出浦昌相を演じる寺島進。

「出浦のセリフに“素っ破は戦で死なぬ。死ぬのは信用を失った時だ”というのがあるのですが、そういう心の部分、気持ちの強さが大事ですし、今の時代に通じるものがあると思います」

 脚本・三谷によれば、「沈黙の中にみなぎる殺気があって、そして色気もある」という人物。そんなミステリアスなキャラを演じている、寺島の素顔に迫った。

「撮影が始まる前に三谷さんと“出浦昌相を有名にしよう”と、話したんです。その初心は貫きたいと思っています」

 今回の『真田丸』、これまで歴史の表舞台にあまり出てこなかった人物がクローズアップされているのも魅力のひとつ。信濃の国衆・室賀正武(西村雅彦)、昌幸の策略で命を落とした春日信達(前川泰之)、そして出浦昌相。

「手下の佐助(藤井隆)は全国区で知られている、アイドルみたいなものじゃないですか。でも、出浦は違う。何か自分の人生に重なるところがあるというか……。自分も『剣友会』で斬られ役をやりながら大部屋俳優をへて、やっと名前と顔が一致するような役をもらえるようになってきているわけですよ。そこに出浦が重なっているんです」

 出浦という役が自身の俳優人生で大きな節目になると話しながら、心の内を打ち明け始めた。

「実は52歳というのは、自分の父親が亡くなった年齢なんです。だから52って自分の中ですごく大きな数字で。父親が52歳以降できなかったことを、息子の自分が頑張らないといけないな、と思っています」

 出浦のテーマカラーが“赤”なので、着物の上に着ている羽織は赤い羽根で彩られている。

「よくぞ作ってくれたと! 夏場の猛暑はどうしようかと思いますけど(笑)、赤ってやっぱり燃えるんですよ。自分、勝負パンツも“赤”なので。この色のおかげで、本能上がっています!」