夫実家で遭遇しがちな、姑の「食べて、食べて」エピソード

 いくら夫の実家といっても、そこは“別家庭”。どうしてもなじめない、受け入れられない文化がそこにある。

 姑の「食べて、食べて」攻撃に遭ったとき、どうしたらいいの? 実例エピソードをもとに、夫婦・家族問題評論家の池内ひろ美さんに聞いてみました。

■次から次へと出てくる昭和のギガ盛り飯にうんざり

 遠方に住む高齢の義両親は孫に会えるのが楽しみで、毎回、張り切って迎え入れてくれるのですが、張り切りすぎて困っているのが食事の量。

 夫は朝食を食べず、実家に向かう途中でブランチをしたがります。だから、前日に昼ごはんはいらないと伝え、軽く食べてから到着するのですが、家に着いてびっくり。

 テーブルには食べきれないほどの料理がズラリ。子どもは離乳食なので、食べるのは大人4人だけど、とても4人分の量ではありません。

 それを見た旦那は不機嫌になり「食ってくるって言っただろ!」と姑にキツイひと言。さすがに姑がかわいそうなので、私が無理して食べるはめに。

 ひととおり食事が終わり、片づけていると、今度はスイカを切り始める姑。食後のデザートとしてひと切れ食べたいかも~、と思いきや、テーブルに並べられたのは、ひとり4分の1カット! 食べられるわけがありません。

 すると「これなら食べられる?」と、ヨーグルトを1人1個持ってきて、あろうことか、全部のふたをペロリとはがし始めたのです。

 誰も手をつけることができず、3時間経過。ヨーグルトの表面が乾き始めたころ、嫌な予感は的中。キッチンに行った姑が夕飯にと、そばをゆで始めました。

「麺ならサラッと食べられるでしょ」と、出されたそばの量は1人1皿、軽く15センチはある山盛り。さすがにここで旦那が「食えるわけねーだろ!」とブチ切れ、いや~な空気に。

 姑には悪気はないのですが、昭和の人間の「食べろ、食べろ」はハンパないです! ちなみに帰り際キッチンのゴミ箱を見たら8人分のそばの空き袋が……。

【池内さんのアドバイス】
 母親として息子にごはんを作るのは最高の喜びなので、作らせてあげましょうよ。お嫁さんは食べられる範囲で食べて、残りは保存容器などに入れて持ち帰りましょう。

■宅配便で送られてくる恐怖の味噌汁

 結婚当初、「母親にとって息子が結婚するということは、“嫁に取られた”ってことだから、私のことを考えて生活してね」と、言われました。

 その時点で、かなり引いたけど、まぁ、実家は遠いし会っても年に2回程度だから、我慢しようと思い、これまでやってきたのですが……。姑の旦那への溺愛ぶりは形を変えて宅配便で月に1度やってきます。

 毎月送られてくる、クール宅配便。段ボールを開けて先日もため息が出たばかり。中には毎回毎回、瓶詰にされたカレー、シチュー、ちょっとしたおかず、ひどいときは味噌汁までが送られてくるんです。

 はっきり言って気持ち悪いっ! 一応、メールで「荷物届きました」と連絡はするのですが、その返事は決まって「〇〇君(夫)に食べさせてあげてね」です。

 “母の味”を忘れるな、ということなのか、“嫁よりお母さんのごはんのほうがおいしいでしょ!”なのかわかりませんが、もううんざりです。

【池内さんのアドバイス】
 お刺身じゃなく、日持ちするものを送ってきているんだから、ありがたくちょうだいすればいいんです。食費も浮くし作る手間も省けるから素直に「ラッキー♪」と思ってみては?

まだある! 姑の「食べて、食べて」攻撃

■みんな肉料理が好きだと思っている姑

 姑の「食べなさい」攻撃にはほとほと疲れています。家が近いこともあり、食事面ではかなり助けられてはいるのですが……。

 風邪をひいてようが、二日酔いだろうが、毎日のように「子どもたち、大好きでしょ」と、ハンバーグや肉の塊ばかりが、ドン! と出てきます。

 あなたのいう「子どもたち」はもう40手前。毎日こんなんじゃ、胃もたれもいいところ。たまにはあっさり系、よろしくお願いします!

■栄養=肉で食事制限はムシ!

 夫が病気をして、医者からカロリー制限がかかり、粗食を言い渡されています。ヘルシーな料理を作っていると、同居する姑が「そんなんじゃ元気が出ない!」と、平気でカツ丼やステーキを作るんです。

 表向きは息子の栄養を考えているので注意すらできず、気がつけば10年目の夏を迎えようとしています。

■直箸なのが玉にキズ……

 義父も義母も料理が得意なため、いつも帰省するとごちそうを出してくれます。これが食べたいがために帰るほど、かなりの腕前。お腹いっぱい食べても余るくらいの量なので、いつも保存容器に入れて持たせてくれるのですが、両親が直接お箸をつけた残り物なのがイヤなんです。

 せめて、別のお箸を使ってくれたら……。

■悪意のない賞味期限切れ&腐敗野菜

 姑はいつも私たち家族のことを思って、月に1~2度、宅配便を送ってくれます。そのほとんどが野菜やお米で、ときには加工品のおかずなど入っていて、かなり助かっているのですが、毎回といっていいほど、何かが腐っていたり、賞味期限が切れていたり……。

 段ボールを開けたとたんに、虫がブ~ンなんてことはしょっちゅう。すごくありがたいけどニオイや処理が大変! もうちょっと注意してくれるとパーフェクトだけど、何も言えません。もらえるだけ、ありがたい!

【プロフィール】
◎池内ひろ美
夫婦・家族問題評論家であり、日本女子力推進事業団の代表理事。テレビや講演などで夫婦や家族問題について鋭く分析。新刊『とりあえず結婚するという生き方』(ヨシモトブックス)好評発売中。