ついつい渡してしまうけれど、それって正しいの?
『わたしが神さまから聞いたお金の話をしてもいいですか?』『神さまのお告げで教わった! 井内由佳のしあわせスパイラル』などの著書がベストセラーとなった井内由佳。そんな彼女は、1989年のある日、神さまのお告げが降りる。それ以降、神さまのお告げで教わった「幸せになるための考え方」を伝え続けているという。隔週で連載している『神さまの幸福論』では、井内先生に寄せられた人生相談と、その回答をお見せしていきたいと思います。今回は、子どもへの“援助"についてご相談をいただきました。いくつになっても子どもはかわいいものですが、いったいどのような援助の形がいいのでしょうか。

Q:『わたし、少しだけ神さまとお話できるんです。』の本を読んで以来、いろいろ楽しみにしています。子どもに対してのサポートのご相談があります。

 長男が高校を卒業して就職して、5年目になります。手取り額で10万前後の給料をいただいています。寮に入っていますが、野球、飲み会、結婚式やらで出費が多く、いつもお金が残ってない状態です。今回は、給料日まで2週間あるというのに、残高78円ということで10万円を振り込みました。

 誰かにお金を借りたり、消費者金融から借りたりすることがないようにと夫が言うのです。サポートとはこういうことなのか、いいのか悪いのか、甘やかして癖になるかもしれないとか、いろいろな思いが出てきてわかりません。

 学資保険に入っていましたが、大学に行ってないからといった理由で、中古車を買ってあげてます。最近、よく、身体の調子が悪くなるようです。これは、神様のサインがあるのでしょうか? 長々とすみません。よろしくお願いいたします。

井内先生からの回答

 はじめまして。わたしの著書をお読みくださりありがとうございます。

 高校を卒業して5年ということは、おおかた23歳前後の大人の息子さんですね。わたし、いつも思うんですが、子どもの悩みで相談を受けるとき、みなさん「今」しか見ていないんです。

 子どもを産んでからどうやって巣立ちさせるかという"ストーリー"を組んでいない人がほとんどなんです。それだと、子育て中に降りかかってくる悩みや不安にどう対処していいかわからなくなってきます。

 だから、子どもを育てる上でテーマを決めて、そのテーマに着地できるにはどうすればいいかを判断基準にすると、自ずと答えが出てくるものなんです。

 わたしたち夫婦は、子どもを産んでから巣立たせるまでの子育てのテーマは「生業(なりわい)」としています。つまり子ども自身が嬉々として取り組んでいける生業を見つけるための手伝いをすることです。

「生業を見つける」ためですから、勉強や進学について判断するときも、たくさん勉強して進学すると自分の生業を見つけるときに、選択肢は広がるけれど、その時点で、ある程度何かに興味があり、普通高校の勉強よりも専門的な勉強のほうが必要と思えば、勉強や進学を勧めることはしません。

 それよりも、もっと大人になること、仕事をするということにわくわくした気持ちを持てるように、いろんなところに連れて行ったり、いろんなものを見せたりすることを心がけています。

 あなたの場合も、息子さんをどこに向かわせたいのか、まずそれをご夫婦で確認し合うことが大切です。

 息子さんは、今どんな思いでお仕事に取り組んでいるのでしょうか。寮に入って、手取り10万のお仕事というのは、将来何かを見据えてのお仕事でしょうか。

 生活費が足りないから毎月仕送りをしていいかどうかを悩むよりも、息子さんがこれから先、仕事とどう向き合っていくかを親子で考えるのが先決です。その上で仕送りについてどうするかを考えてはどうでしょう。

 23歳の遊び盛り、おつき合いもある年頃です。手取り10万で生活はできませんよ。わたしは、生活が苦しすぎて、高金利のところからお金を借りて大変なことになった若者の相談にもたくさん乗ってきました。神さまはこうおっしゃいます。

「いくら成人したとはいえ、子どもが家庭を持つまでは精神的、経済的に支えてあげるのが親の務め」

 事情があってそれができないのならまた別の話ですが、あなた方ご夫婦が経済的援助ができるなら支えてあげるほうがいいのです。

 ただし、やみくもに足りないお金を援助するというのではなく、あくまでも息子さんが嬉々として取り組める生業を掴むまでの援助だという認識を親子で共有することが条件です。

 それから、買ってあげた中古車がよく故障するのが神さまからのサインかどうかということについてですが、だいたいこのようなケースは持ち主が腹立たしい気持ちを抱え込んでいるときです。腹立たしい気持ちを抱え込むと破壊のエネルギーを生み、ものが壊れやすくなるのです。

 物事を、点ではなく線で見る。人生も点ではなく線で見る。この視点を持つだけで、いろんな答えが出てくるのです。


《プロフィール》井内由佳(いうち・ゆか)●福岡県生まれ。福岡大学商学部卒業。大学卒業後、株式会社リクルートに入社。1989年に神さまのお告げが降りる。1991年より夫が経営する輸入車販売会社の取締役を務めるのかたわら、自宅で人々の相談に応じ、神さまのお告げで教わった「幸せになるための考え方」を伝え続けている。福岡市在住で二男二女の母として、毎日、楽しく、嬉しく暮らしている。【公式携帯サイトhttp://iuchi.augury.jp/】