8月25日にすべての撮影を終えた『とと姉ちゃん』。昨年の11月にクランクインしてから約10か月。ヒロイン・常子役の高畑とともに小橋家の次女・鞠子を演じてきた相楽に直撃インタビュー!

朝ドラ『とと姉ちゃん』で小橋家の次女・鞠子を演じた相楽樹 撮影/廣瀬靖士

「ああ、終わっちゃうんだ”と思ったのは、とと姉(高畑充希)がアップした日ですね。私はその6日前にアップしましたが、その日よりもこれで全部終わったんだという感じがして、ちょっと寂しくなりました。

 長い撮影期間でしたが、誰よりもセリフが多くて、一番現場にいるとと姉が頑張っているから、私たちも頑張ろうと思えました。

 とと姉がガソリン切れになりそうなときも絶対にあったと思うのですが、美子(杉咲花)とふたりで、いつもそばにいるぶん、私たちは支えになれるよう一緒にご飯に行ったり、ちょっと笑わせたりして、なるべくそばでサポートしよう、とサイドを固めたという感じです」

 相楽自身、'10年『ゲゲゲの女房』以来、2度目の朝ドラ出演だが、

「前回とは全然違います。あのとき、私の撮影は2日間くらいで終わってしまって(水木しげる夫妻の次女の同級生役)、向井(理)さんとのシーンもなくて。今回の現場で向井さんと一緒になって、まさか『とと姉ちゃん』でこんな大きな役がもらえるなんて思ってもいませんでした、って話していたんです」

 実生活では未経験の結婚・出産も、作中で鞠子として体験した。

「私自身は、娘がいるという状況が非現実的すぎて(笑)。結婚相手の水田さん役の伊藤(淳史)さんは、実際にお子さんもいらっしゃるので、実生活の姿に近いと思いますけど。

水田と鞠子の結婚式は113話~114話。相楽は「富江ちゃん(川栄李奈)や長谷川さん(浜野謙太)、清さん(大野拓朗)にも出席してほしかったなぁ(笑)」と話す(NHK提供)

 どんな夫婦になろう、という相談はしていませんけど、早く仲よくなりたいと思っていたので、伊藤さんがインしてからご飯に連れていっていただいたり、連絡をとれるときには連絡したりして、少しずつ距離を詰めていけたので、結婚してからのシーンも自然にできたかなと思います」

 “初めての結婚相手”として伊藤は、どんな男性だったのだろうか。

「お会いするまでは、水田さんみたいな気弱なイメージだったんですけど、実際はすごくリードしてくれる方で(笑)。ご飯とかも“俺が予約しておくよ”みたいな感じで引っ張ってくれるタイプ。初めに持っていたイメージとのギャップがあって、それもいいなと(笑)」

 これから成長した娘・たまき役で吉本実憂が登場するが、相楽との実年齢差は2歳……。

「そうなんですよ(笑)。聞いたときはやっぱり戸惑いましたね。吉本さんは19歳だけど、大人っぽい顔立ちなので、よけい私が母親で大丈夫かなって」

 そこで参考にしたのが、一番身近にいる自分の母親だったという。

「私が赤ちゃんだったときや、中学生だったときにどう接してきたか、21歳の今の私とではどう違うと思うかを聞いて、参考にしたりしました」

年をとっていく3姉妹に注目してほしい

「年をとっていく3姉妹に注目してほしい」と話す相楽樹 撮影/廣瀬靖士

 とと(西島秀俊)が亡くなって、4人から始まった小橋家の物語。家族も増え、姉妹それぞれの役割も変わってきた中、家族というものに対する思いは何か変わった?

「鞠子は家庭に入って仕事もしていませんので、かか(木村多江)の代わりに家の柱になってくるんです。世代交代というか、普通の家庭でもあることで、こうやって新しい家族へとなっていくんだな、と。

 きっと鞠子が年をとったら娘とか孫が同じように私の代わりをやるだろうし、そうやって小橋家が続いていくんだなと思うと、今まで感じたことのない感覚が私の中に生まれました」

 あと半月で放送も最終回。どういうふうに見てもらいたい?

「私的には、年をとっていく3姉妹に注目してほしいです。少しずつ白髪も増えておばあちゃんになっていくんですけど、小さいころ、女学生のときから人生を歩いてきた私たちが大人になって、それぞれの生き方で生きています。

 最終回でドラマは終わってしまいますけど、3姉妹はこれからも頑張っていきますし、常子はまだまだ走っていきます。家族の愛、支えてくれた人たちへの感謝とか、そういったものを感じて楽しんでいただければうれしいです」

意外な素顔にドキッ

 仲よし3姉妹、休日の思い出は?

「お休みの日、3人で遊ぶことがよくあったんです。一番の思い出は、3人でかき氷を食べに行って、そのあとに公園で日向ぼっこしながらしゃぼん玉をした日ですね。充希ちゃんがベンチでお昼寝している間に、私と花ちゃんでシロツメグサを摘んで花冠を作り、寝ている充希ちゃんの頭にのせたりして(笑)。

高校の友達とバンドを組み、ストレス発散にギターを弾いているという相楽樹 撮影/廣瀬靖士 

 周りには学生さんや子ども連れのお母さんがいましたけど、バレませんでしたね。まさか、この3人がリアルで遊んでいるとは思ってもいなかったんじゃないのかな(笑)」

 長い撮影もアップして、気分も新たにやってみたいことは?

「ずっと言ってますけど、スカイダイビングとスキューバダイビングです。スカイダイビングは、補助の人がついてくれて飛ぶのを番組で見て、すごい解放されそうだな、って。“うわぁぁぁ”って叫んでみたい(笑)。だからバンジージャンプも興味あります」

 ドラマで演じた鞠子は、運動が苦手なインドア派だったけど、本人はバスケやゴルフが大好き。ゴルフは中学生のときに108というスコアで回った腕前だという。そして、高校の友達とバンドを組んでストレス発散にギターを弾いている。

「『とと姉ちゃん』の打ち上げのときにも、花ちゃんとふたりでギターを弾いて、充希ちゃんがボーカルで主題歌の『花束を君に』を演奏しました! 盛り上がりましたよ」