古舘プロジェクト所属の鮫肌文殊、山名宏和、樋口卓治という3人の現役バリバリの放送作家が、日々の仕事の中で見聞きした今旬なタレントから裏方まで、TV業界の偉人、怪人、変人の皆さんを毎回1人ピックアップ。勝手に称えまくって表彰していきます。第7回は鮫肌文殊が担当します。

山内圭哉 様

今や名バイプレイヤーとして数々のドラマで活躍する山内圭哉

 今回、私が勝手に表彰するのは俳優の山内圭哉(たかや)くんである。

 なに、そんな名前知らないって? いやいや、テレ朝のヒットドラマ『民王』でスキンヘッドの怪しい公安捜査官役。フジテレビ『HOPE~期待ゼロの新入社員~』でズラを被った先輩社員役。ええい、これでも分からなかったらNHKの朝ドラ『あさが来た』の大番頭の雁助さん役でお茶の間的にブレイクを果たしたあの強面系のイケメン俳優と言えば、さすがにピンと来るでしょう。

 実は彼、昔、小説家の故・中島らもさん主宰の劇団・笑殺軍団リリパットアーミーに所属。20代の頃、同じ劇団に所属していた私・鮫肌の後輩にあたる男なのだ。

 もともと、舞台で活躍。演劇界では引っ張りだこの実力派俳優として知られた存在だったのだが、『あさが来た』でやっとこさ世間的にも顔を知られるようになった。

 大阪出身で、これも私と同じなのだがハードコアパンクの洗礼を受けて若い時分はちょっとヤンチャしていた時代もあったようだ。その名残りとしてカッチョいいタトゥーがボディに刻み込まれておる。

強面だが実はトークも達者

 スキンヘッド&髭でパッと見、大変な強面に見えるが話してみると、ただのおもろいナニワのお兄ちゃん。トークも達者なのでバラエティ番組でも、チャンスさえあればもっともっと弾けることができると思う。

 タイプ的に言うと『民王』でも共演していた遠藤憲一さんに似ているかな。役のキャラの振れ幅が大きければ大きいほど映える俳優。硬軟どちらの役にも対応できる。

 私が携帯番号を知っている数少ない芸能人の一人なので(笑)、来年は今年以上に大ブレイクしてもらって「あいつ、俺の後輩やねん」と自慢させていただきたい。

 よって山内くんには「2017年さらなるブレイクが期待できるで賞」を差し上げて勝手に表彰したいと思う。

 そんな山内くんとイベントをやる。拙著『らぶれたあ ~オレと中島らもの6945日~』(11月22日発売/講談社刊)の出版記念で、11月28日に新宿歌舞伎町のロフトプラスワンにてトークライブ「一夜限り!らもはだ復活祭」と題して故・中島らもさんの思い出を語る会を開催する運びとなった。他に松尾貴史さん、らもさんの娘さんで作家の中島さなえさんも出演。

 山内くんのトーク力が、たっぷりと堪能できますので良かったら来てやってください。よろしくね!

【プロフィール】
鮫肌文殊(さめはだ・もんじゅ)
放送作家。’65年神戸生まれ。古舘プロジェクト所属。「世界の果てまでイッテQ!」など担当。渋谷オルガンバー「輝け!日本のレコード大将」(毎月第2金曜日)、恵比寿頭バー「歌謡曲主義」(毎月第3火曜日)などでの和モノDJ、関西伝説のカルトパンクバンド捕虜収容所のボーカリストなど音楽活動も数多い。