ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』に出演し、一気にブレイクした星野源

「新垣のファンは星野が彼女に何をしでかすか、毎回やきもきしてドラマを見ているようで、ツイッター上では星野に嫉妬する書き込みが殺到しています。これも彼が注目されている証拠でしょうね」(テレビ誌ライター)

 ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)は初回平均視聴率こそ10・2%だったが、回を追うごとに数字は上昇し、第7話(11月22日放送)では13・6%を記録。今期もっとも注目されているドラマだ。

 恋愛経験ゼロの独身サラリーマンを演じて、人気急上昇中の星野源。そんな彼の魅力と素顔に迫ってみた。そもそも今、なぜブレイクしているのか、法政大学社会学部の稲増龍夫教授はこう分析する。

「劇団『大人計画』出身なので、阿部サダヲや宮藤官九郎と同じにおいがしますね。サブカル的、オタク的で草食。イケメンでも男くさくもないから、サブカル女子、クセのある女子に好かれる要素が強いと思います。

 最初に出てきたときは“なんでこの人が?”みたいに思われていたのが、見ていくうちにだんだん引き込まれてクセになっちゃう。しかも才能があって、オタクテイストも満載。掘り下げていくとこんなに面白い人はいない。男子も最初は拒否反応を示しますが、今はこんなやつがモテるのかと、彼のファンになっちゃうんですね」

 星野の“オタク”ぶりは筋金入りのようで、

「今、アイドルをプロデュースするという携帯ゲーム『アイドルマスター』(通称『アイマス』)にどっぷりとハマっています。ゲームだけでなくライブにも足を運んでいるようで『アイマス』の話になるととにかく熱くなる(笑)」(前出・テレビ誌ライター)

あの人と間違えられることが多い

 俳優業だけでなくシンガー・ソングライター、文筆家としてもマルチな才能を発揮し、

「実家は青果店を営んでいますが、両親はジャズに精通していて、お父さんはピアニスト、お母さんはボーカリストだったそうです」(音楽誌記者)

 両親のDNAを受け継いで、中学1年生から音楽活動をスタート。'00年には高校の同級生と先輩を誘って音楽バンド『SAKEROCK』を結成した。

 所属事務所を訪れたときには、こんなエピソードが。

同じようにギターを弾くスタイルの高橋優さんと間違えられることが多かったんです。事務所内を歩いていて、“高橋さん、高橋さーん”と呼ばれても振り返らない星野さん。スタッフは彼を追い越して、星野さんだと確認してもスルー。名前を覚えられていないのかと、彼は悲しそうな顔をしていたそうですよ」(芸能プロ関係者)

星野源と間違われることもあったという、ミュージシャンの高橋優。秋田県音楽大使第1号でもある

 '10年にソロデビューすると、リリースする楽曲が次々とヒット。昨年には『NHK紅白歌合戦』に初出場を果たしている。

「女性記者はみんな星野がお目当てでしたね。リハーサルのとき、ゴールデンボンバーと一緒にふざけて『ひげダンス』を踊っていたのが印象的です」(スポーツ紙記者)

 そんなお茶目な一面もあるが、『逃げ恥』の主題歌『恋』はiTunesのヒットチャートで初登場から27週連続1位をキープ。ほかのアーティストに楽曲も提供するなど実力も折り紙つきだ。今年の『紅白』出場も決まった。

 俳優活動のルーツは、

「中学生のときに、音楽活動と同時に俳優活動を開始。'03年の舞台『ニンゲン御破算』へ参加したことがきっかけで、『大人計画』に所属しました」(舞台関係者)

 舞台や映画、ドラマの出演も増えて、俳優としての道を一歩一歩、着実に歩んできたが、

'12年にくも膜下出血を発症し、活動休止せざるをえなくなりました。しかし翌年、復帰後に主演した映画で、その年の映画賞・新人賞を総ナメにしました。現在は『逃げ恥』以外にもNHK大河ドラマ『真田丸』に出演し、内野聖陽演じる徳川家康の息子で2代将軍・徳川秀忠を演じていて、評判がいいですね」(映画誌記者)

“下ネタトーク”は大好物

 重病を克服して再起を果たした星野は、自身がパーソナリティーを務めるラジオ番組でこんなことを語っていた。

“入院したときに一番つらかったことは?”というリスナーからの質問に対し、医者から“自慰行為を1か月間我慢しましょう”と言われたことだと答えていました。ちゃんと我慢したようで、当時は街行く女性すべてがかわいく見えるほど欲情していて、デパートの婦人服売り場のマネキンにまで欲情して大変だったとか」(前出・スポーツ紙記者) 

 彼のラジオ番組は“下ネタトーク”が多いということで、リスナーが急増しているが、『逃げ恥』の撮影現場でも、

「スタッフやメイクさんと仲よく言葉を交わし、場を和やかにしていますが、ほかの男性出演者たちとはいつも“男子トーク”で盛り上がっています」(制作会社スタッフ)

 シンガー・ソングライターで俳優。さらに“下ネタ”といえば頭に浮かぶのはあの人。そう、彼がファンの間で“ちょっとイケてない福山雅治”と呼ばれる所以である。

星野源とキャラの類似が指摘される福山雅治

 ルックスは福山に負けるかもしれないが、彼には文筆家としての才能もある。

「これまで出版された書籍は5冊。どれも人気です。雑誌の連載は現在3誌。彼の文章はわかりやすく、活字が苦手な人でも気楽に読めるんです」(前出・テレビ誌ライター)

 いま日本中の女の子がもっとも熱狂しているという星野。そんな彼の魅力について漫画家の倉田真由美氏は、

「新ジャンルのモテタイプが出てきたと思いました。イケメンでもなく、小柄でテレビで見たまんまです。俳優やアーティストとしての押しの強さをまったく感じない、風景に溶け込む感じの人ですね。それでいて、そこはかとないセンスのよさ、おしゃれ感があります。“イケメンって好きじゃないのよ”という女子がリアリティーを持って、自分と一緒にいるイメージを抱きやすい感じの人ですね。

 ドラマのキャラのように堅実に働いてくれる彼のような人が、今の女性たちには魅力的なんです。これから先、“こういう男子が人気なんだ”と、男性からもマークされるでしょうね」

 星野源の快進撃は始まったばかり。