脱退しオートレーサーとなった森且行以外の5人は、今後どんな道に進むのだろうか

 今年12月31日で解散するSMAP。このままではデビュー25周年の節目の年に紅白で有終の美を飾ることもなく、その歴史に幕を下ろす。

 著書『SMAPは終わらない』(垣内出版)で音楽的側面から評論を行った、ライターで批評家の矢野利裕さんは「もっと先だと思っていたところに解散の話が出て驚きました」と言う。

 解散を耳にして、熱心なファンでなくても衝撃を受けた人は少なくない。SMAPは、何がそんなに特別だったのか?

「SMAPの前にデビューした少年隊は舞台映えする衣装、つまりドレスコードのあるディスコ的なものでしたが、SMAPはしがらみや約束事から解放され、自由を獲得した、いわばクラブ系。アイドルが神聖であった時代から、身近さやカジュアルな存在へと移行したのがSMAPというグループなんです」

 '70年代前半生まれのメンバーが中心のSMAPは“ロスジェネ世代”であり、学生時代は景気がよかったものの、社会人になる際は就職氷河期だった世代。

「アイドルに憧れてジャニーズに入り、いざデビューしたら歌番組がなかった彼らも、ある意味でアイドルの就職氷河期を経験していて、それをバネにバラエティー路線で頑張ってきた。そして日本でリストラが増えた'98年、不況とともに未来や人生のモデルが見えない中でリリースされたのが『夜空ノムコウ』でした。彼らの歩み自体が、同じ時代を生きる人たちを後押しし、勇気になったんです」

 大学生のとき、月9ドラマ『二十歳の約束』(フジテレビ系)で稲垣吾郎にハマって以来のジャニーズファンであるお笑い芸人の松本美香さんも「SMAPがなくなるなんて考えられない」と驚きを隠さない。

「SMAP以前、例えば光GENJIは別の星からロケットでステージへやって来るような、街を歩くことが想像できない子たちでした。でもSMAPはあくまでも理想の男の子。もしかしたら道で出会えるかも、という妄想が現実になりそうな感じがあった」

 松本さんが忘れがたいのは1995年に発生した阪神・淡路大震災でのこと。実家が被害を受け、アルバイト先もなくなり、出演した番組も放送中止に。

「絶望しかなくて、家でボーッとしていたら、それまで震災番組ばかりだったなか、『ミュージックステーション』が放送に。出演したSMAPは、新曲の『たぶんオーライ』を歌う予定を変更して被災者へメッセージを送り、『がんばりましょう』を歌ってくれたんです。もう号泣。でもスッキリして、これからどうしていこうかと考えられるようになった。SMAPはいろんな人にとって、何かあったときに心に寄り添い、光をくれる存在なんです

脱退した森のほうが、今はよほどSMAPらしい

 そんなSMAPらしさとは真逆の雰囲気に包まれた、今年1月の『SMAP×SMAP』での謝罪会見。

「SMAPは自由と解放の存在なのに、重荷を背負っているのを見るのはつらいし、あの会見が存続の条件ならば、続けても仕方ない」と感じた矢野さんは、

「無理やり続けさせられるSMAPよりも、オートレーサーになりたいと脱退した森且行のほうが、今はよほどSMAPらしいといえます。節目節目で、その時代をまとってしまう存在が生まれてきますが、平成=SMAPだったのだと思います」

 一方、松本さんは、

「SMAPには本当にありがとうしかない。めちゃくちゃいろんなものをもらいました。解散理由は私にはわからないけど、どんな形でも一生続けてほしいとは思ってないんです。気持ちを押しつけたくないから。メンバーで決めたことなら応援したいし、彼らにとっていちばんいい形であるならいいなと思っています」

<プロフィール>
矢野利裕◎批評家、音楽ライター。今年8月に著書『SMAPは終わらない』(垣内出版)という書籍を緊急出版し話題に。

松本美香◎お笑い芸人。ジャニーズへの愛を綴ったエッセイ『ジャニヲタ 女のケモノ道』(双葉社)を発売するほどのジャニーズの大ファン。