両陛下が待つ皇居へ挨拶に向かうため、朗らかな笑顔で半蔵門を通過された(12月9日)

 53歳の誕生日を迎えた12月9日に発表したご感想で、この1年を「今年も体調に気をつけながら、4月の『神武天皇二千六百年式年祭の儀』をはじめ東宮御所内外での公務についてできる限りの務めを果たそうと努力してまいりました」と振り返られた皇太子妃雅子さま。

 天皇・皇后両陛下のご名代となった7年ぶりの「宮中祭祀」への参列に、安堵のお気持ちがあったのかもしれない。

 宮内庁担当記者が、「長期療養」が始まってから、ちょうど13年になる雅子さまの近況を説明する。

「この春には12年ぶりに『春の園遊会』にも参列した雅子さまは、8月には2年連続で『沖縄豆記者』と接見されました。

 国賓で来日した10月のベルギー国王夫妻と、11月のシンガポール大統領夫妻の『宮中晩餐会』にも出席されています。

 これらは、不特定多数の人々の前で長時間、懇談をしなくはならない公務で、雅子さまが苦手とされているものでした」(同・記者)

 それだけ、長年苦しまれている「適応障害」を克服しつつあるのだろう。『みどりの愛護』のつどい、『献血運動推進全国大会』、『全国農業担い手サミット』と、現在は7つになった「八大行啓」といわれる皇太子ご夫妻にとって重要な公務へのお出ましも増加。

 東宮職が発表した雅子さまの公私にわたるお出ましも、昨年までの50件から57件となった。 

 8月には山梨県での『山の日』を記念した初めての式典に、雅子さまは愛子さまを連れて臨席された。

「今年になってから、雅子さまは特に愛子さまを公務に多く同行させましたが、活動の幅がより広がっているということだと思います」

 そう話すのは、皇室を長年取材するジャーナリストで文化学園大学客員教授の渡邉みどりさん。

 今年は3月にご一家では初めてとなる映画の試写会に。

 その後も、美術展や公園の見学など、学習院女子中等科3年の愛子さまに、内親王としての経験を積んでもらおうという雅子さまの「思い」が伝わってくるようだ。

 雅子さまは、愛子さまがお休み中に、岩手県での『全国障害者スポーツ大会』は欠席したが、都内での2件のお出ましやベルギー国王夫妻の歓迎行事などにはご出席。

 愛子さまが登校を再開された翌日には、泊まりがけで『全国農業担い手サミット』にも臨席された。

 雅子さまの“奮起”の理由を、前出の渡邉みどりさんは次のように話す。

「今まで心配されていた“母子密着”の状態が解消されてきたようですね。8月には天皇陛下が生前退位をにじませる発表をされたこともあり、雅子さまは次の皇后としての自覚がより深まったこともあると思います

 そんな雅子さまの順調ぶりは、今回発表された「東宮職医師団見解」にも見てとれるようだ。

 雅子さまのお誕生日に伴って毎年、発表される見解は、雅子さまの主治医である精神科医の大野裕医師(66)がしたため、ご本人が目を通されるといわれている。

ここ3年間は、周囲に《過剰な期待を持たれることは、かえって逆効果となり得る》という26文字が必ず入っていました。

 雅子さまのお出ましが増えてきたので、その期待や希望がさらにふくらみ、重圧になることを避けるためだったと思います。しかし、今年はその一文がなくなりました。

 それだけ雅子さまが、回復傾向にあるということだと思います」(宮内庁関係者)

 主治医も“太鼓判”を押すほどの回復ぶりで、来年は、雅子さまのさらなるご活躍に期待できるかもしれない。