(左)余裕なのか、木村は終始穏やかな雰囲気で撮影に臨んでいた  (右)撮影の合間にくつろぐ草なぎ。共演者やスタッフとの会話もなかった

 5人そろったSMAPの姿を見ることはもうできないのだろうか? Xデーは刻一刻と迫ってきている。そんな中、木村拓哉と草なぎ剛の2人はというと、SMAP解散後の1月から放送されるドラマの撮影に臨む毎日だという。

木村さんが『A LIFE 〜愛しき人〜』(TBS系)で演じるのは、心臓外科と小児外科を専門とする医師です。これまで美容師やパイロットなどを演じてきましたが、医師役は初めて。役作りのために実際のオペを見学したりして気合十分のようです」(TBS関係者)

 撮影現場は日々、活気に満ちあふれているという。12月初旬のこの日も、下町の商店街にある寿司屋さんに撮影クルーがやってくると、地元の人々が集まり始めた。

「狭い路地のこぢんまりとした店なので、スタッフが近所に“ご迷惑をおかけします”と記した紙を配っていたんです。ドラマ名も書いてあったので“キムタクいつ来るの!?”と騒ぎに」(近所の住人)

 午後2時過ぎにロケバスから木村が現れると、集まった人たちから“キャー”という悲鳴があがった。

「スーツケースを引きながら現れた木村さんは礼儀正しく一礼していました。現場がギャラリーでごった返していても、気にしないでスタッフや共演者と笑顔で話し込んでいましたよ」(前出・近所の住人)

 今まで何本もドラマに出演している木村だけに、緊張している様子はまったく見られない。

木村さんの現場は集まってくる見学者が多いから、その整理に神経を遣うんですよ。だからいつもスタッフがピリピリしているんですが、木村さんは笑顔でいることが多いですね。共演者はもちろん、若いスタッフたちにも気軽に声をかけてくれて、現場は和やかな雰囲気に包まれています」(ドラマ制作スタッフ)

 現場の雰囲気は上々だが、TBS内では作品を不安視する声もある。最近の木村はドラマで以前ほど視聴率を取れていないからだ。解散報道で“裏切り者”のイメージがつき、彼を嫌うファンも増えたというから、共倒れするリスクを恐れて共演者がなかなか決まらなかったとも。

休憩中に共演の田中泯(右)と談笑する木村。田中は木村の父親役で出演する

ジャニーズ事務所としては解散前の年内に放送される10月クールを望んだそうなんです。しかし、そうなると『ドクターX 〜外科医・大門未知子〜』(テレビ朝日系)とぶつかってしまう。TBSは勝ち目がないと判断し予定どおり1月からの放送となりました」(制作会社社員)

 この話は木村の耳にも入ってしまったようで、対決を避けたことにプライドを傷つけられたようだ。

木村は“要は数字を取ればいいんでしょ”と言ったそうで、それを聞いた制作サイドは視聴率獲得に向けて共演者も実力派をそろえることにしたそうです。それでヒロインの竹内結子のほかに松山ケンイチ、浅野忠信、田中泯など錚々たる役者が並ぶことに」(前出・制作会社社員)

ちょっと大人しめ? 草なぎの様子

 一方、草なぎが主演する『嘘の戦争』(フジテレビ系)は、11月中旬にタイのバンコクでロケがスタートした。

最高視聴率15・4%を記録した『銭の戦争』のスタッフが再結集しました。海外ロケが行われたのは、期待されていることの表れでしょう」(スポーツ紙記者)

 前述の木村のロケが行われた日の数日前、都内の撮影現場に草なぎの姿があった。

役作りなのか、この日の草なぎから笑顔がこぼれることはなかった

「大学病院の中で撮影していましたね。都心部からは少し離れていますし、日曜日だったので、あまりギャラリーはいませんでした。草なぎさんが外に出てきても、騒ぎになるようなことはありませんでしたよ」(目撃した女性)

 木村の現場と違って、こちらは少し緊張感に包まれていたという。草なぎが共演の藤木直人や水原希子と談笑する場面はほとんどなく、スタッフとも必要以上に言葉を交わしていない。撮影は淡々と進んでいった。

自分の撮影シーンが終わると壁や大道具に寄りかかり、“ふぅ〜”と、ため息をつきながら、ひとり遠くを見つめていました。休憩時間になると、駐車場の車の中で休んでいましたね」(ドラマ撮影スタッフ)

 どうやら対照的な撮影現場のようだ。さて、ほかのメンバーはどうか。

「番組名に『SMAP』がフルで入っている番組は木村さんの番組を除いて変更になりますが、それ以外はそのままのタイトルで継続するみたいですね」(テレビ局関係者)

 ただ、メンバーたちの新しい番組が始まるという話は聞こえてこない。

ソロになったら、歌手活動を継続することは難しいと思います。となるとタレント活動をするか、役者として映画やドラマに出演することになります。しかし新たにバラエティー番組に出演するという予定はないようで、当分はいま放送されている番組を続けるだけになるでしょうね」(芸能プロ関係者)

 仮に役者として生きていくにしても、そこには大きな“壁”が立ちはだかる。

木村さんだけは新たに来年の10月クールで月9への主演が決まっているようですが、そのほかの4人は何も決まっていないようです。SMAPでなくなるとドラマ出演も難しくなるでしょうね」(制作会社関係者)

 とはいえ、木村も決して安泰というわけではない。冬ドラマの結果次第では、その先が厳しい状況になるだろう。結局、SMAPの解散によって得する者は誰もいないのだ。