三浦春馬 撮影/高梨俊浩

 NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』で井伊直親を演じる三浦春馬。

「物語の序盤で、今川家という強大な大名に潰されそうになっている井伊家に、再び光を差すような人物だと、最初に説明を受けました。ストーリーに、新しい風を吹き込む人物ですし、しかも笛の名手で。幼少期は病弱だったんですが、屈強な青年に成長するというそのギャップも含めて、とても魅力的だな、と」

 おとわ(直虎)の幼なじみとして、幼少期を亀之丞の名前で過ごした直親。おとわの初恋相手でもあり、親が決めた許嫁(いいなずけ)だったが、父親の謀反が発覚し井伊谷(いいのや)から離れて9年──。

「井伊谷の人々や、一族郎党の力添えでやっと戻ってくることができたので、すべてを捧げてお家のために働ければと。もちろん、おとわへの大切な思いもありますが……。忠信と恋心の狭間で揺れながら、井伊家のために働いていく姿勢と気持ちを表現するのがすごく面白いんです。現場では、そこに日々取り組んでいます」

 お互いに思いを寄せながらも、出家して次郎法師となった彼女とは決して一緒になるこはできない。三浦自身、大切なポイントとして印象に残っているシーンについて、こう語る。

「僕が思うに、井伊谷に戻ってくるモチベーションの1、2を争う理由が、彼女と夫婦になることだったと。それが潰えたときの衝撃は、相当なものだったと思います。ふたりの望んでいた未来を諦めるシーンが第6話(2月12日放送)にありますが、直親がどんな表情で、どんな思いがあふれてくるのかをどう体現すべきか。

 自分としては直親の、直虎に対する思いの重さと強さ、“生きて帰ってくる”という気持ちがこのシーンにかかっていると思って演じていたので、今まで撮影した中で、印象に残っています。このシーンには注目していただきたいですね」