「ぶっちゃけ、みんないったいいくら稼いでるの?」「ウチの貯金額って少ない?」……他人の家のお財布事情って気になるけど、直接はなかなか聞けないもの。そんなお金のデータをここに大紹介、経済アナリストの森永卓郎さんに解説してもらます。

【貯蓄額】

 
 

高齢者世帯が無駄に貯めているとは思いません。みんな、有料老人ホームの入居金相当は貯めてるってことですね。ざっくり言えば1年間で300万円くらい

 もちろん、コース料理が出るホテルみたいなところだと入居金だけで1億円以上だし、特別養護老人ホームなら月10万円くらいだけど、入居に何年も待つ。結局、“老後の沙汰も金次第”になっているわけです。

 逆に、高齢者世帯の1割~2割は400万円も貯金がないことのほうが怖い。やっぱりある程度、老後にはお金を作っておかないと。これから年金もどんどん下がっていきますから」(森永さん、以下同)

【平均所得】

 

「児童のいる世帯は、すごく所得が伸びているように見えますけど、“児童のいる世帯=勝ち組”なんです。お金を持っている人しか結婚もできないし、子どもも産めない世の中になっているので。これは、勝ち組の実態なんです。一方、高齢者世帯は全然伸びていません。年金水準はまだ高いといえますが、将来的にもっと落ちていくと思いますよ」

【おこづかい】

 

「景気が悪くなると、真っ先に削られるのは、おこづかい。アベノミクスで少し景気がよくなり、ようやく底打ちはしましたが、これ、バブルのころって夫は7万円とか8万円だったんですよ。それと比べると、底は打ったものの、低位安定。今年、景気が失速したら、また悪くなると思います」

【へそくり】

 

ほとんどの家庭で配偶者には言わない口座を持っているケースが多いんですよ。昔はタンスに隠していましたが(笑)。普段からちょっとずつ貯めていけば、作れる額面だと思いますね。最近は、フリマアプリの『メルカリ』で服を売ったり、『ミンネ』で手作りアクセサリーを売ったり。センスのある人は、そこそこ儲けているみたいです

【都道府県別ランキング】北陸3県が豊かな理由

 

「年収でも持ち家率でも、北陸3県(富山、石川、福井)が上位にきていますよね。なぜかと言うと、北陸は1人当たりの賃金は高くないものの、3世帯同居の家庭が多い。家も大都市と違って、バカデカい。かつ、家族のみんなが働いているんです。

 1人当たりは年収300万円でも、家族の4人が働いていれば世帯年収は1200万円。日本は片働きだと、累進課税でとてつもなく税金を取られるんです。だから、家族みんなでちょっとずつ稼ぐのが税制面でも有利だし、トータルで見たら圧倒的に強い。大都市とは異なる、もうひとつの豊かなライフスタイルがあることを示していますね」