松下優也 撮影/佐藤靖彦

「撮影では、今までしていなかった表情やシチュエーションにも挑戦しました。カメラのレンズの奥を見つめて、写真を見ている人のことを意識してみたり。ちょっとセクシーな写真もありますが、まあ、なかなか自分自身、ほかのところではしないですから(笑)。買った人だけが楽しめる、みたいなサービスです(笑)」

 朝ドラ『べっぴんさん』の栄輔しか知らない人が手に取ったら、まったく違う松下優也の顔に驚くだろう。2月24日に写真集『26』を発売。ボーカル&ダンスグループ「X4」のYUYAとしても、3月8日リリースのニューアルバム『Xross Mate』が控える。ここに来て、一気に身辺がにぎやかになった印象だ。

「そうですね。やっぱり朝ドラの影響は大きくて、一般の認知度だったり、やれることの規模が変わってきました。正直、自分自身の作業というものは変わっていないんですが……。あくまで音楽が軸にあって、その軸があるからこそ、お芝居とかでは“どこまでも行ける”っていうスタンスでありたいと思っています」

 松下優也はソロアーティストとして2008年に18歳の若さでデビュー。キャリアは長く、12歳から本格的に音楽とダンスを始めたという。

「小さいころから歌っていました。一緒に住んでいるおじいちゃん、おばあちゃんが演歌が好きで、よくカラオケに連れて行ってもらっていたんです。それが6年生のとき『紅白』にW-inds.が出ているのを見て、瞬間的に意識が切り替わった。“自分も歌って踊る人になりたい。なれるんや、そういう人に”って」

 さっそく母親と書店に行き、オーディション雑誌を買って、スクールを探した。子どもながらに、明確な目的意識と実行力は、『べっぴんさん』の栄輔を思わせる。

「そうかもしれません。うちは母子家庭で母はずっと働いているし、ひとりで過ごす時間が多かった。本気度は置いといて、夢は常に持っていました」

 身体能力に恵まれ、現在は180センチの長身。サッカーや陸上の選手にも憧れたが、音楽ほどガツンとのめり込まなかった。最終学歴は中卒で「僕に学歴、必要ですか?」と笑う。

「今となっては胸張って言えるなって思います。中卒の人って、たいがい高校をドロップアウトしているんですが、僕の場合、最初からこの道で生きると決めて高校に行かなかった。だからこそ、しっかりしようという意識も芽生えたし、そんな自分がどこまで行けるかみたいな挑戦はあるかもしれませんね」

栄輔のこと、「X4」への思い

 『べっぴんさん』の栄輔は、やさしい印象から、クールな実業家に!

「みなさんに嫌われるかもしれへんけど、まあ、いいやと(笑)。家族もいない、周りに頼れる人もいない中でアメリカに渡った設定で、10年以上、姿を消していた。どれくらい人間って変われるものなのかなってことをすごく考えました」

 栄輔はまだ独身。幸せになれるの?

「僕が思うに、決して結婚すること、子どもをつくることだけが幸せではない。幸せっていろいろな形がある。いま栄輔は超バリバリの攻撃態勢で、前のめりに進んでいますから。どこに落ち着くのかわかりません(笑)」

 2015年からは「X4」としても活動中。グループを組んだ理由は?

「俳優としてミュージカルに出演することも多く、大勢の人と一緒にものを作っていく中で、いろんな化学反応が起きるのを見てきた。それを音楽でやったらもっと面白いものができるんじゃないか、と興味を持ち始めたんです」

 YUYAを中心にメンバーが集まり、当初の4人から、現在は5人体制に!

「よく“松下優也率いる……”とかって紹介のされ方もしますが、それはあくまでX4を知ってもらうきっかけ。ひとりひとりの歌、パフォーマンスがあってこそのグループです!」

プライベートを教えて!

 仕事を離れて、くつろぐ時間は?

「ゲームの実況を見ています。映画や海外ドラマもすごい好きなんですが、集中して見なきゃいけない。でもゲームの実況って“ながら見”できるんです。携帯で流しているのをWi-Fi経由でテレビに飛ばして、ホテルとかでボーッと流しています」

 ホテル暮らしは快適ですか?

「大阪のときはホテルですが、何もしなくていいので楽ですね。帰ってきたら部屋が掃除してあるし。たまに撮影がない日でも、掃除してもらいたくて、わざわざ1回外に出ることもあります(笑)」

 どんな女性に魅かれる?

「ギャップがある人ですね。例えば、一見近寄りがたく生活感を感じさせない女性が、実はすごく家庭的だったりすると、めっちゃいいと思います。仕事をバリバリやってるけど、ちゃんと普段の生活を大切に考えているとか、自分で作ったご飯を現場に持ってきているとか。自然にそれができる人は、すごく女性らしいと思います」

 『べっぴんさん』の現場にそういう人は?

「どうなんでしょ(笑)。ギャップとは違いますが、芳根(京子)ちゃんとかは、お弁当持ってきてるかもしれない。忙しいのに、すごいなぁと思いますよね」

〈写真集情報〉
『松下優也写真集 26』2月24日発売 3240円(税込み)
◎写真集発売記念イベント開催!
2月26日(日)13:00〜 HMV & BOOKS TOKYO
3月18日(土)13:00〜 ジュンク堂書店 大阪本店
詳しくはHPで