ムロツヨシ

 小栗旬、岡田将生、菅田将暉、山崎賢人……今をときめくイケメン俳優たちから愛されていている男がいる。ムロツヨシだ。

「1月26日にツイッターにアップされた写真ですね。ピントの合っていないムロツヨシがこのときの主役ですよ。彼の誕生日会に仲のいい俳優仲間が集まったんです。

 新井浩文さん、柳楽優弥さん、青木崇高さんも写っていました。カメラのシャッターを押したのは生田斗真さん。あとで松本潤さんも来たそうです。イケメン軍団は“ムロ会”と呼ばれ、一大勢力になっています」(芸能レポーター)

 別の年には山田孝之、瑛太、松田龍平と鍋を囲む誕生日会も。なぜかムロは業界の仲間から人気なのだ。

「ムロさん自身はイケメン枠ではないんですが(笑)。ちょっとウザいキャラで、コミカルな演技に定評があります。今では名脇役として知られるようになりましたが、お茶の間に浸透したのは、'13年のNHK朝ドラ『ごちそうさん』に出演してからでしょう」(テレビ誌ライター)

 『ごちそうさん』で共演した高畑充希とは、彼女のお父さんを交えて飲んだことがあり、共演回数が多い新垣結衣も飲み友達。小泉孝太郎は親友で、父の小泉純一郎元総理と1対1で食事をしたこともあるという。誰とでも仲よくなってしまうのだ。老若男女から好かれていて、交友関係は実に幅広い。

今でこそ平和で朗らかな生活を送っていますが、生い立ちは波瀾万丈です。両親は彼が4歳のときに離婚し、ついて行ったお父さんは新しい女性のもとへ。ムロさんとお姉さんは、親戚の家に引き取られました」(前出・芸能レポーター)

 ムロが本名を明かしていないのは、自分を産んだ母親に気づかれないため。役者をやっていることがわかると“目障りだ”と感じられるかもしれないと気遣っているのだ。

いつしか“イジられキャラ”に

「役者を志したのは、東京理科大学に入った直後に見た舞台に感銘を受けたから。大学は3週間で中退し、俳優養成所へ。卒業後はフリーで活動をしていましたが、なかなか売れなかったようです」(芸能プロ関係者)

 芽が出始めたのは'05年に本広克行監督の映画『サマータイムマシン・ブルース』に出演したころから。福田雄一監督にも見いだされ数多くの作品に出演するようになった。

「現在放送中の連続ドラマ『スーパーサラリーマン左江内氏』(日本テレビ系)でもタッグを組んでいますね。福田さんとは20作品以上は組んでいるんじゃないでしょうか。

 同じく常連の佐藤二朗さんと並び、監督からムロさんへの要求はほかの俳優さんに比べて高いですね。普通に面白いくらいのレベルだと、途端に機嫌が悪くなるというか(笑)。ムロさんもわかっているので“(福田監督の)舞台のときはやっかいだな……”とこぼしていました(笑)」(舞台関係者)

 ハードルが上がるのは、信頼されている証拠。愛があるからこそイジってもらえる。ただ、後輩からも同じ扱いをされるのは困りもの。

「ももいろクローバーZと仕事をしたときに、“おい、なんだこれ!”と突然、ムロさんが大声を出したんです。何かと思ったら、知らない間に携帯電話の待受画面が変えられてしまっていたんですね(笑)。ももクロメンバーの仕業でした。もちろん、本気で怒っているわけじゃなくて、若い女の子たちにもイジられるようなキャラだという自覚があるんでしょう」(映画製作会社)

 イジられキャラだということが広く知られるようになり、バラエティー番組への出演も急増。『嵐にしやがれ』(日テレ系)や、『LIFE!』(NHK)では欠かせない存在になった。

『嵐にしやがれ』では、仲よしの松本潤さんと“カッコいいほうはどっちだ!?”という対決を行っていました。オープンカーへの乗り方だったり殺陣だったり、さまざまな対決をしていますが、ことごとく敗北。

 公式ホームページの宣材写真を変えるという屈辱の罰ゲームを、しぶしぶ受け入れました。身体を張っているし自分の立ち位置がわかっているから、制作側としては使いやすくて重宝しますね」(前出・テレビ誌ライター)

みんなが好きな“ムロ鍋”

『LIFE!』では、究極の鍋を作るという企画に挑戦。誕生日に山田孝之たちと囲んだ鍋もムロが作ったもので、料理はお手のもの。

「鶏ベースの味噌バタースープで煮込んだ鍋を食べたことがあります。身体がとても温まるような、やさしい味でした。映画『UDON』の監督を務めた本広克行監督はこの鍋のトリコです。ムロさんは、“鍋のおかげでキャスティングされた”と話していましたよ(笑)。

 若手俳優たちも、この鍋に首ったけで、瑛太さん主催の誕生日会のときは、主役のムロさんが鍋を作ってあげたそう。“ムロ鍋”ファンはとても多く、交友関係が広いのはこの鍋で胃袋をつかんでいるおかげなのかも」(映画関係者)

 『UDON』への出演は役者としての転機になっただけでなく、ムロの味覚にも変化をもたらした。

『UDON』は香川県を舞台にした作品でタイトルのとおり、うどんがテーマです。ムロさんの出演シーンはそれほど多くなかったんですが、何しろ“うどん県”ですから美味しいうどんを食べる機会が多かったんですね。それ以来、どうしてもうどんを食べたい! という衝動にかられる日が定期的にやってくるように。“ダイエット期間中なんだ〜”と話していた時期も、週に3回はうどんを食べてしまったとか」(前出・芸能プロ関係者)

 すっかりうどん通になったムロが通うのは、東京・渋谷にある『Y』。『あげ玉 生じょうゆうどん』が定番の注文だという。きしめんのような平たいうどんに揚げ玉がのり、だしのようなやさしい雰囲気の生じょうゆがかかっている。

ムロが好む『あげ玉生じょうゆうどん』はやさしいお味

ムロさんはえび天も大好きで、よく頼んでいますね。揚げものだけなのでジャンキーなイメージなんですけど、麺がモチモチ、揚げ玉サクサクで美味しいんですよ〜」(『Y』の常連客)

 食べているだけならいいが、お酒が入るとちょっと困った行動をすることもあるらしい。被害に遭ったのは、嵐の二宮和也だという。

「二宮さんの自宅でお酒を飲んでいたとき、ムロさんは二宮さんに頼んで靴を借りたのだとか。翌日、結婚式に出ることになっていて、靴が必要だと言うんですね。二宮さんは親切に貸してあげたそうですが、今でも靴は戻ってきていないそうです。忘れちゃったんでしょうかね(笑)」(前出・芸能レポーター)

 ちょっとおっちょこちょいなところも、ムロが愛される理由なのかもしれない。