左から小島藤子、八木優希 撮影/高梨俊浩

 朝ドラ『ひよっこ』の舞台となっている向島電機の女子寮『乙女寮』で、ヒロイン・みね子(有村架純)と同室の先輩、山形県出身・秋葉幸子(あきば・さちこ)役の小島藤子(23)と秋田県出身・夏井優子(なつい・ゆうこ)役の八木優希(16)が登場。乙女たちの素顔を告白してもらいます!

小島「ひと言で表すと、撮影現場は女子校みたいだよね」

八木「そうそう(笑)。スタジオの前室で藤子ちゃんや豊子役の(藤野)涼子ちゃんたちと騒いでいると、有村さんがスーッと来て私たちを見守ってくれていたり」

小島「いろいろと状況を見ながら、話に加わってくれて。でも基本、みんなそれぞれが自分の話したいことを話していて、全然相手の話を聞いていないとか(笑)。わちゃわちゃした感じは女子校のノリ、そのものだよね」

八木「あとは、いつもみんなで差し入れのお菓子を食べているよね。和久井(映見)さんがたくさん差し入れを持ってきてくださるから」

 寮の舎監・永井愛子を演じている和久井。年の離れた“乙女”たちへの接し方を、小島は見習いたいと思ったそう。

小島「和久井さん、私たちの話に合わせてくれているというか、いろんなことに興味を持ってくれて。常に前室で話していたよね」

八木「前室の私たちの定位置、3つ机が並んでいる、いちばん奥で話していると和久井さんも座られて」

小島「みんなバラバラなことを話しているけど、それを全部聞いてくださってそれぞれに感想を言ってくれたり。何にでも反応してくれていました。優希ちゃん、和久井さんが好きすぎて、和久井さんになりたいって言ってたね(笑)」

八木「うん、私、和久井さんになる(笑)。そう思うくらい大好きです」

 ちなみに八木は実年齢では16歳で、現役の高校生ながら“先輩”役に抜擢(ばってき)された。ふたりとも朝ドラ出演は2作目。小島は『カーネーション』で主人公・小原糸子(夏木マリ)の孫娘を演じ、八木は『おひさま』でヒロイン・須藤陽子(井上真央)の幼少期を演じている。

八木「『おひさま』も岡田(惠和)さんの脚本でした。今回も岡田さんの作品ということで、前回とは違う八木優希を岡田さんに見ていただきたいな、って」

小島「『カーネーション』はお芝居というものが本当に楽しい、ってあらためて認識できた現場だったので、朝ドラには機会があればどんな形でもまた参加したいなと思っていたけど、こんなに早くその機会をいただけたのは本当にうれしい! そういえば、優希ちゃんはもう1作品、朝ドラに出演するチャンスがあったって聞いたけど?」

八木「赤ちゃんのとき、『ちゅらさん』に出るはずだったけど……」

小島「けど?」

八木「泣くシーンの撮影だったんですよ。でも私、ずっと寝ていたみたいで(笑)。ほかにも3人くらい赤ちゃんがいて、そちらに出番がいってしまいました」

左から八木優希、小島藤子 撮影/高梨俊浩

 今回、『乙女寮』の中では幸子がリーダー的な立ち位置で、優子が病弱でか弱い存在。でも、撮影が進むうちに変化が出てきたようで……。

小島「優子は最初声が小さくて、消え入りそうで儚(はかな)い、みんなに守られる存在だったけど、だんだん有無を言わせない“裏のボス”みたいなオーラが出てきたよね(笑)」

八木「豊子と澄子(松本穂香)がケンカを始めると、編み物をしながら“はい、やめなさい”みたいなね(笑)」

小島「幸子の婚約者、雄大(井之脇海)さんに物申すシーン、私はまだ見ていないけど雄大さんに対して当たりが強かったみたいで。後半、優子は男前になったね」

八木「自分でも8〜9週目(5月22日~6月3日放送)で変わったなと思うので、そこは楽しみにしていただきたいと思っています」

小島「幸子はみんなのお姉さん役のはずだったんですが、みんなと接しているうちに、ちょっと子どもっぽくなってきた気がしてて(笑)。ちゃんと引っ張っていく役だと再認識して、しっかりやらなきゃって(笑)」

これが本当の“場外”乱闘!?

 乙女たちの熱演は、ときとして台本で描かれた以上に発展するとか。どこまで放送で使われる?

八木「澄子ちゃんと豊子ちゃんの小競り合いのシーン、すごかったよね」

小島「リハーサルのときは周囲がやんわりと止める程度だったのに、本番になったら、座って言い争いするはずが、立ち上がっちゃって」

八木「あれはびっくりしたよね。このふたり、どこまでいくんだ、みたいな(笑)」

小島「殴り合いでもするんじゃないかって勢いになって。だからみんなも全力で止めていたよね。ふたりが立つから、みんなも立ち上がってワーッとなったら、勢いついた澄子が頭から倒れてフレーム(画面)から消えちゃって。だいたい澄子が暴れるときは、毎回何かしら起こっている気がしますね(笑)」

上野駅。いなくなった澄子を捜していた乙女たちは、怪しげな男にからまれてしまう/5月16日放送 (c)NHK

乙女たちのリアルな友情

 強い絆で結ばれた乙女寮のルームメイト6人。自分たちにも、同じような友達はいる?

小島「小学校からの幼なじみがいて、その子たちにはなんでも話します。中学校ではバラバラになっちゃったけど、今でも1年に1回は必ず会っていて、すごく信頼しています」

八木「私、小さいころから友達は多いほうではないんですけど、高校生になって初めて親友と呼べる友達ができて。今、同じ高校に通っている子なんですけど、この子とはこの先もずっと今の関係を続けていけたらいいな、って思っています」

<プロフィール>
こじま・ふじこ◎東京都出身。1993年12月16日生まれ。映画『青空エール』、ドラマ・映画『HiGH&LOW』シリーズなどに出演。映画『ハイヒール』が6月24日公開。

やぎ・ゆうき◎東京都出身。2000年10月16日生まれ。芸歴は0歳から! 出演作品に大河ドラマ『龍馬伝』、ドラマ『デカワンコ』、映画『しあわせのパン』などがある。