水崎綾女 撮影/高梨俊浩

「ようやく、人間の内面を表現するような、繊細な役をいただけるようになったと思いました。これまでは外見が重視されたキャラものや、セクシーな役が多かったので、この年齢になって選んでいただけて、本当によかったです」

 5月27日から公開される『光』は、カンヌ国際映画祭ほか、世界中から大絶賛された『あん』(’15)で知られる河瀬直美監督の最新作。視覚障害を持つ人のためにつけられる映画の“音声ガイド”に焦点をあてた作品で、水崎綾女(28)は、音声ガイドをつける仕事をする女性・尾崎美佐子を演じた。

「それぞれが自分の役で、その場に存在しているか、生きているか。今回の現場では、それが最大の課題でした。役作りという感覚よりも、自分自身がどれだけ役にひたれているのかを試されていたような」

 クランクイン10日前から、ロケ地である奈良のマンションで生活をスタート。

 役と自分自身の共通点を聞いてみると、

「美佐子は、とても素直。だからこそ悪気はなくても人を傷つけてしまうことがあって、人一倍、傷つく。私も、自分の気持ちは正直に話してしまうタイプです。話し合えばどのような方であってもわかりあえると思っています。その人に興味があるからこそ、ぶつかってしまうこともありますね」

 弱視のカメラマン・中森雅哉(永瀬正敏)と出会い、2人は次第に惹かれあっていく。もし、自分が視力を失う状況になってしまったら?

「やっぱり最後は、好きな人や家族を見つめたい。美佐子が最後に、希望となる“光”を見つけられたように、女優・水崎綾女としても、この作品で“光”を見つけられた気がします」

<プロフィール>
みさき・あやめ◎兵庫県出身。『第29回ホリプロタレントスカウトキャラバン』(’04)をきっかけに芸能界デビュー。代表作に映画『進撃の巨人』(’15)、『HK/変態仮面 アブノーマル・クライシス』(’16)など。

<公開情報>
『光』
5月27日(土)新宿バルト9、丸の内TOEIほか全国公開。

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