左上から坂口良子さん、下は娘の杏里、真ん中上は橋爪功、下は息子の遼容疑者、右上は石田純一、下は息子のいしだ壱成。二世タレントの不祥事が止まらない

「6月2日の午後9時半ごろ、埼玉県内の40代男性が住むマンションを家宅捜索したところ、覚せい剤の粉末が見つかりました。その場にいた橋爪遼容疑者も、その部屋で覚せい剤を使用したことを認めているようです」(スポーツ紙記者)

 名脇役として知られる橋爪功の息子が逮捕された。彼は父親に憧れて'04年に俳優デビューし、放送中の連続ドラマ『やすらぎの郷』(テレビ朝日系)やEXILEのAKIRA主演映画『たたら侍』などの話題作に出演していた。

 しかし、彼の逮捕を受けて、関係者はシーンの撮り直しや降板の対応などに追われる。

「業界内では“また2世タレントの不祥事か……”という声もあがっていますよ」(芸能プロ関係者)

 活躍する者もいる一方で、不祥事も目立つ“2世タレント”たち。昨年8月には、高畑裕太氏がホテル従業員への強姦致傷容疑で逮捕された。

「自分の部屋に引きずり込んで暴行し、女性に全治1週間のケガを負わせた容疑です。示談が成立して不起訴処分になったものの、所属事務所は契約を中止。ドラマや映画は撮り直しになり、代役を探すなどの対応に追われましたよ」(前出・スポーツ紙記者)

 打撃を受けたのは本人だけではなく、母の高畑淳子もだ。

「涙の謝罪会見をしたものの、“親の甘やかしが原因だ”という批判も多数ありました」(テレビ局関係者)

 天国の母、故・坂口良子さんも悲しんでいるのは、坂口杏里だ。今年の4月に、交際中のホストにお金を借りようとして、ホテルでの写真をバラまくと脅し、恐喝未遂容疑で逮捕。その後、不起訴処分となった。

「毎晩のように歌舞伎町のホストクラブに入りびたり、お気に入りのホストを振り向かせるために、金使いも派手になっていったようですね」(ワイドショー関係者)

 大物俳優の2世カップルで注目された、若山騎一郎(父は故・若山富三郎さん)と仁美凌(父は故・上原謙さん)はダメな意味で似た者夫婦ぶりを発揮。5か月でスピード離婚後、わずか1年で再婚したが、

「1か月半後の'13年11月、若山さんが自宅マンションで覚せい剤所持の現行犯で逮捕。一緒にいた仁美さんも尿検査の末、翌日に逮捕されましたよ。若山さんの吸引パイプに付着した粉末には、2日ほど前にも使用した痕跡があり、常習性がうかがえました」(前出・スポーツ紙記者)

 同年1月には、故・藤田まことさんを父に持つ原田知樹も覚せい剤で逮捕。

「大阪のビジネスホテルで知人女性とトラブルになり、駆けつけた警察官が彼の様子を不審に思い尿検査。覚せい剤の入った水溶液を注射していたことが判明しました」(前出・ワイドショー関係者)

 大麻で逮捕されたのは、中村雅俊の長男・中村俊太氏だ。

「'09年4月、 路上で職務質問され、乗用車内から乾燥大麻が発見されました。翌日、雅俊さんが会見を開き、自身が社長を務める事務所から解雇して芸能界を引退させると発表しました」(前出・ワイドショー関係者)

 とはいえ、デビュー作は父の主演ドラマという七光で、以前からの親バカぶりも明るみに出た。

「彼が高校生のとき、雅俊さんがドラマの制作現場に連れてきて“よかったら下働きさせてもらえませんか”と相談したり、奥さんに内緒でお小遣いを渡したりもしていたそうです」(前出・テレビ局関係者)

 1度は人気俳優となりながら、転落してしまったのはいしだ壱成石田純一と最初の妻との子で、'91年の“隠し子騒動”で注目された。本人もプレーボーイで鳴らし、

「女優と都内のマンションで同居中、別の女性と交際していたという、二股が発覚しました。父親譲りなのかもしれませんね(笑)」(前出・芸能プロ関係者)

 だが、父と違うのは法に触れてしまったことだ。

「'01年8月、大阪市内のホテルで大麻所持により現行犯逮捕されました。それ以前から六本木や西麻布のクラブやライブハウスに、深夜によく出入りしており、ドラッグを吸っているという噂が流れていましたよ」(前出・スポーツ紙記者)

 こうした2世たちの不祥事について、芸能レポーターの石川敏男氏に聞いた。

「(橋爪の件で)30歳を過ぎた男の責任をなぜ親が持たなければならないのかという意見もありますが、親の七光で芸能人になった以上は親の責任になります」

 としたうえで、不祥事が生まれる構造をこう分析。

「テレビ番組を作る側に安易な側面があります。2世タレントは話題になるので、とにかく使いやすいんですよ。“あいつは親よりも才能があるから”という理由で使うのではありません。それでいて、周りの人はちやほやします。これからも親とは付き合わなければならないので、忖度しますからね。使う側が意識を改めないと、不祥事は減らないでしょう」(石川氏)

 また、親子関係カウンセラーの川島崇照氏は有名芸能人の家庭についてこんな指摘を。

「親が家を空けることも多く、コミュニケーションが圧倒的に不足しがちです。そして、家にいられない罪悪感から子どもにお金を渡す親もいます。家にいる時間が取れないのをお金で償うわけです」

 しかし、それでは子どもが寂しさを感じてしまい、何かに依存しやすい性格になるのだという。酒や食べ物、異性……。2世タレントがクスリに溺れやすいのもそれと関係がありそうだ。

「いちばん大切なのは、子どもが親から愛されているという安心感を持つことです。家に帰って来られなくても、2~3分という短い時間でも、電話でお互いに今日あった出来事を話し、気持ちを伝え合うだけで、親と子の双方向のコミュニケーションがとれます。そういう関わりが10歳以下までにあると、寂しさを感じにくくなりますよ」(川島氏、以下同)

 そして、思春期では別のコミュニケーション方法も必要になる。子どもの考えを尊重して、失敗しそうに見えてもやらせてみることだという。

「大人になろうとしている時期なので、子どもは自分で行動してみて、学んでいきます。子どもに、その結果を引き受けることができるのだと信じて接してあげるべきです。そうでないと、反発されたり、自分の意見を伝えなくなるかもしれません」(同)

 親の七光で守られる安全な世界では、かえって自立や成長が難しいのかも。2世たちの不祥事は、大人が真摯に子どもと接することの大切さを改めて教えてくれる。