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 『あさが来た』で日本初の女子大学設立に奔走する、成澤泉を演じている瀬戸康史。ドラマの中で女性の心をキュンとさせていたディーン・フジオカが演じた“五代さま”が作中で亡くなってから約1か月。

「今、“五代ロス”という言葉が言われているじゃないですか。そういうのもプレッシャーなんですよ(笑い)」

 ぽっかり空いたその穴を埋めるのは、瀬戸演じる“ナルさま”の双肩にかかっている!?

「いえいえ、カッコよさでディーンさんにかなわないですよ(笑い)。でも、どこか放っておけないというか、二枚目ではなく三枚目な感じで視聴者に見ていただきたいなと。カッコいいは捨てて(笑い)、理想の男性像というよりも母性本能に訴えかける方向で行かせてもらおうかと思っています」

 周囲から期待を受けているけど、ナルさまの“だめんず”っぷりを瀬戸は話し続ける。

「最初に登場したときは美和さんの店で嫁と食事をしているシーンだったんですけど(1/30放送)、女子教育に情熱を注ぎすぎて“奥さんに愛想つかされた”なんて近所の人に言われますし(2/13放送)。

 あささんから“銀行やわが家に出入りしてもらうのに、あのままやったらあかん”と、服をプレゼントされて、着ているものはビシッとなるけど(2/17放送)、頭はボサボサのままだったり。人間、そう簡単には変われませんよ(笑い)」

 それもすべては“女性の教育のため”。瀬戸自身は女性の社会進出についてはどう思っている?

「僕はパートナーに好きなことをやってほしいと思うタイプだから、成澤さんタイプですね。女性は強いほうがカッコいいと思っちゃうんですよ。うちの両親は母親のほうが年上で、姉さん女房なんです。

 外では親父が引っ張っているように見せているけど、実は母親が主導権を握っているというのを子どものころから見てきました。あと、僕にはふたりの妹がいて、家庭内で女性が多かったから、男が肩身の狭いことには慣れているんです(笑い)」

 役者として活動し始めて今年で11年目。過ごしてきた時間を振り返って、どんな思い?

「ここまで続けられて幸せだなと思います。自分の周りを見ていると、26、27歳というタイミングで役者をやめていく人がかなり多かったんですよ。たぶん“今ならほかの道を選んでもまだ間に合う”という時期なのかもしれません。

 そんな中で自分が続けてこられたのは奇跡だと感じるし、これからも、できれば死ぬまで続けていくことが目標ですね」

撮影/坂本利幸