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てづか・とおる 1962年6月27日生まれ。175センチ。B型。近年の出演ドラマに『半沢直樹』『ルーズヴェルト・ゲーム』『HERO』など。放送中の『プロミス』CMでは謎の音楽プロデューサーに WOWOW連続ドラマW『天使のナイフ』が2月22日スタート。撮影/佐々木みどり

 画面に登場した瞬間、強烈な印象を残す“怪優”手塚の初主演ドラマが、放送中の『太鼓持ちの達人~正しい××のほめ方~』(テレビ東京ほか、月曜23時58分~)。

「僕なんかが主役と聞いて、意外だったし、大丈夫なのかなぁと思いました(笑い)」

 キャラの濃い怪優が演じる作品はやはり、ちょっと風変わりなドラマ。超リアルなオンラインゲーム『世渡りWARS』を舞台に、コミュニケーション下手で悩む人に、絶妙“ほめフレーズ”という言葉の武器を授ける大佐を演じる。

「これまで、どこか欠点のある人に“そんなのダメだよ”っていうドラマはあったと思うんです。でも、この作品は“それでいい そのまま乗り切れよ”って肯定して問題を解決する。斬新で、ちょっと面白いなと思って」

 例えば、何を言っても「でも~」と返してくるネガティブ女子には「そんなに頭がよすぎたら、疲れちゃいますよ」。どこか太っていることを気にしているやさぐれデブには「お肌ツヤツヤじゃないですか」と、苦手な相手を気持ちよくさせていく。

 日ごろ、さまざまな褒め言葉を受け止めているであろう手塚に、自分を気持ちよくさせる言葉を聞くと、“まったくない”と言う。

「もともと、映画監督志望だったんです。だから、いまは目指していなかったものになっている。監督になる手段がわからなくて舞台のオーディションを受けたのが、18か19歳でした。それがきっかけで入ったこの世界。40歳くらいになって、もうほかの仕事はできないなと思って」

 カメラを回しながら受けた姿が“面白い”と評価され、蜷川幸雄の舞台からスタートした芝居の道。30代で出会った野田秀樹が、転機を与えてくれた。

「野田さんに“おまえの面白さは、狂気だろ”って言われて、あぁそうかと。いろいろなことが思い当たったんです。お客さんがコワがっても、気持ち悪がっても、笑ってもいい。“次に何をするかわからない”ということを大事にしていこうと思った」

 “流れるような線ではなく、予測のできない点の連続”で見せていきたいと語る。

「今回のドラマも笑いが多いです。これが終わったら死んでもいいやと思うくらいの真剣さで、50過ぎの人間がふざけられるといいなって。僕、演技って過剰なモノだと思っている。電車に乗り遅れた人の絶望的な表情とか、リアルって過剰じゃないですか。そこに、面白さがあると思うから」

 これまでを振り返ってくれた手塚に、芝居以外に熱中していることがあるのかを聞くと、「まったくない(笑い)」と返ってくる。数年前から通っているという、アメリカの警察バッヂの専門店も、商品より店主が面白いからと言葉を続ける彼に“人間が好きなんですね”と投げると、

「好きで、嫌いなんでしょうね。なんで嫌いなんだろうと考えているうちに、好きになることもあるけど、たいていはそのまま(笑い)。でも、原因がわかると、あきらめがつく。たまに、第一印象が悪かったのに、仲よくなる人っているじゃないですか。そのときの脳みそがどうなっているのか、すごく気になりますね。共演している木南晴夏さんが記者会見で、僕は腰が低くて、優しいと言っていましたが、相手への愛情があるかは別。どこか冷たいところがある。そこが、僕のコワイところだと思いますよ(笑い)」