「この作品で主演ができたことを、すごく誇りに思います。人生にこんなプレゼントをいただいて、スタッフ、キャスト、視聴者のみなさまには感謝、感激!」

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撮影/廣瀬靖士

 2006年に連続ドラマとして始まった人気シリーズがついに完結。9月5日より公開の映画『アンフェア the end』をもって10年の歴史に幕を下ろす。ドラマ、映画と一貫して主役の女刑事・雪平夏見を演じてきたのは篠原涼子

 長きにわたる作品の完結に寂しさを募らせる彼女だったが「やりきった!」という清々しさもうかがえる。

「終わってしまうのは正直悲しいです。でも他の作品とは比べものにならない重圧があったぶん、言い表すのがもったいないくらいの思いがありますね」

 篠原演じる雪平は検挙率ナンバーワンのデキる女、そして涙を決して見せない強い女。その一方で大酒飲み、家では素っ裸といった一面もあるが、バツイチで娘を全力で守る、頼もしき母でもある。そんな雪平とともに歩んできた10年間、“雪平は、常に自分のパートナーだった”と話す。

 篠原自身も私生活では夫で俳優の市村正親との間に2児をもうけ母親となったが、雪平との共通点は?

「ズボラなところが似ています。うちの場合、部屋はキレイだし、家事もちゃんとやるんです。でも着るものが変だったり髪も適当にお団子にしてグシャグシャだったり。すっぴんでコンビニとかスーパーに行くので、“平気? そんな格好で出て”ってよく心配されます(笑い)。逆に似ていないというか、裏切られても裏切られても人を信じ続ける雪平は、すごいと思う。そんなことされたら、私なら家に引きこもっちゃうな」

 シリアスなシーンも多い『アンフェア』。撮影現場の空気は緊張感で張りつめていたのでは?

「実は全然そんなことなくて。裏では笑いすぎちゃうこともしばしば。キャッキャしてるときに、いきなり“はい、本番”って言われて、“待って! しわ! 笑ったあとが目立つ!!”って慌てたことも(笑い)。これ、本当に『アンフェア』撮ってんの? って。そのくらい楽しい現場でした」

 たくさんの思い出が詰まった作品を、ともに盛り上げてきた多くの共演者たち。実は歴代の『アンフェア』シリーズ出身者には、瑛太、三浦春馬、西島秀俊……など、今や日本ドラマや映画に欠かせない人気俳優たちがズラリ。今回は連ドラで“相棒”だった瑛太の弟・永山絢斗と息の合った演技を見せているが……。

「瑛太くんと絢斗くんは、声は似ていますが、役者としてはまったく別。兄弟ということを忘れるくらい、オリジナリティーがあって、それぞれがプロフェッショナル!」

 また、今回10年ぶりに共演した娘役の向井地美音。幼い女の子だった彼女も今やAKB48の人気メンバーだ。

「連ドラで共演していたとき、まだ彼女は7歳だったんです。だから話す内容も“食べもの何が好き〜?”とかだったのが、そりゃもう“国民的アイドル”ともなるとかなり饒舌になっててびっくり(笑い)」

 まるでわが子の成長ぶりを話す母親のような表情を見せる篠原。今や世の女性の憧れで “いい女”の代表格でもある篠原だが、共演者の男性陣たちもみな“いい男”ばかり!

「残念ながら女として見られていなかったようで(笑い)。みんなとはもうお正月に顔を合わせる親戚同士みたいになっていました」

 プライベート、そしてこの『アンフェア』の撮影現場でもたくさんの愛をもらったと話す篠原。彼女からは今日も幸せオーラが満開だ。