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 大河ドラマ真田丸』で主人公・信繁の姉、まつを演じている木村佳乃。学生時代、乗馬部だった経験を生かし、大河ドラマ『北条時宗』以来、10年以上ぶりに乗馬シーンも披露している。

「家族や友人からは、“まつは佳乃そのものだね”と言われます。私自身はこんなにとぼけていないのに、と思っているんですけど(笑い)」

 まつは、かなり活発で現代的な女性像にも見えるけど?

「まつもそうですが、女性陣はセリフがほぼ現代語なんです。会話の中で相づちを打つときに“ねぇ~”と返したり。私も最初に台本を読んだときにびっくりしたんですけど、そこは三谷さんの狙いで、若い人にもわかりやすく見ていただけるようにと、そういう言葉遣いにしたとおっしゃっていました」

 現代的なのは言葉だけではなく、茂誠とのピュアな夫婦関係も……。

「三谷さんから“純粋に愛し合っている夫婦です。茂誠を演じる高木さんとなら、そんなふたりになれると思います”と言われました。失礼ながら高木さんを存じあげなかったのですが、会った第一印象は“絶対にこの人は優しい”(笑い)と確信できました」

 その絆はまつと茂誠だけではなく、真田家の面々ともつながっている。一家についてはこう語った。

「真田家は、今でたとえるならトップ企業ではなく、中小企業ですよね。そういった家柄でありながら戦国時代という中で、親や兄弟が殺し合ったり反目したりしないで生き抜いた、唯一の一族だと思っています。そこが魅力なんでしょうね」

 木村が話す真田家の様子を、信繁演じる堺が“ホームドラマ”と表現していたけど、女性陣で目を引くのが母・薫を演じる高畑淳子。

「本当にパワフルなんですよ。近くで演技していると、どんどん顔が近くなってきて(笑い)。年齢は私のほうが若いのですが、野盗から逃げるシーンなど走る場面では、私より高畑さんのほうが速いんです(笑い)。

 体力をつけなくては、と思うんですけどね……。最近は子育てがトレーニングですね。ふたりの子どもを抱えれば30kgですから」

 子どもたちとオンエアを一緒に見ているという木村。ふたりの反応はどうなのだろうか?

「一瞬、“ママだ!”と言って終わりでした(笑い)。あと、野盗が出てきたら怖がっていましたね。基本、日曜日のあの時間は月曜日に備えて家でゆっくりしているので、リアルタイムで放送を見ているんです」

 まつが明智勢に追われ琵琶湖に転落、記憶喪失になってしまったが、気になるまつのこれからは?

「5月の頭に、すごい再登場の仕方をします。台本で読ませていただいたのですが、私、イスから転げ落ちました(笑い)。どうやって演じようかと、久しぶりにプレッシャーを感じています。みなさんも放送をご覧になったら、イスから1回、ズリッとなると思いますので(笑い)、お楽しみにしてください!」

撮影/佐藤靖彦