冠二郎
 男らしい掛け声と無骨なルックスで、演歌界の“アニキ”と慕われる冠二郎。『NHK紅白歌合戦』にも3度出場。デビューから48年目を迎えた今も、その力強い歌声は衰えるところを知らない。

「’92 年にリリースした代表曲『炎』では、“アイ・ライク・演歌~♪”と歌詞に横文字を取り入れた“ネオ演歌”というジャンルを確立。ブルース・リーを模したという振り付けなど、そのポップさがウケ、若者にまでファン層を広げた。今もコンサートでは20代、30代の人もよく見かけますよ」(芸能レポーター)

 また女性からの人気も高い。若手の女性演歌歌手やレコード会社のスタッフ、マスコミ関係者などが彼の親衛隊である『ブラボー隊』を結成。今も入隊希望の女性が後を絶たないという。

「冠さんは会うとおやじギャグのオンパレードなんですが、とにかくいつも明るいんです。落ち込んでいるときなどに冠さんに会うと、本当に元気になれるんです。いいお父さんって感じですね(笑い)」(ある若手演歌歌手)

 彼の出身地といえば埼玉県秩父市。高校を卒業するまで過ごした土地だ。

「秩父出身の芸能人といえば、今はバナナマンの設楽や落語家の林家たい平、それに俳優の藤原竜也が有名だろうけど、なんたって元祖・地元のスターといえば冠さんだよ。このへんの飲み屋には、だいたい冠さんのポスターが貼ってあるからね。彼がデビュー10年目で『旅の終わりに』がミリオンセラーになり、秩父夜祭の山車の上で歌ったときは、しびれるくらいにカッコよかったなあ。まさに、故郷に錦を飾ったんだ」(地元のファン)

 秩父では魔除け像のようにまで崇められている冠。だが、地元ではある都市伝説がささやかれているという。

「実は僕の父親と冠さんが同じ高校の卒業生で、しかも年齢が同じだから同級生かと思ったら、冠さんのほうが大先輩だって言うんです。プロフィールでは確かに同じ年齢なんですが……」(ある秩父の住人)

 まさか、年齢をサバ読み!?  にわかには信じがたいが、所属事務所に問い合わせると本人から1通のメールが届いた。

《’67 年11月、デビューするにあたり、“少しでも若く見えたほうがいい”という周りのスタッフからの勧めもあって、自分自身も“若くみられたい”という欲望もあり、あまり深く考えずに5歳ほど若くプロフィールに載せました。  実際には今、70歳です。“冠さんはいつも若い”と言われて、言い出す機会を失って、今日まで来ちゃいました。でも、自分の気持ちの中ではまだ65歳。冠二郎、まだまだこれから。若い気持ちのまま、引き続き、がんばっていきます!》