大黒摩季

 ‘96 年から体調を崩して闘病を続けており、本格的な治療を行うために’10年末をもって無期限の歌手活動休止を発表した大黒摩季

 自身の“希望”である『妊活』を続けてきたが、ついに今年、再び歌いだすことを決意したという。

 休養宣言の後も、3つの中学校が統合されて誕生した北海道・夕張にある長沼中学校の校歌の作詞・作曲を無償で引き受けている。

 また最近も、新たな応援プロジェクトを始めている。民事再生手続きを開始した航空会社のスカイマークに、曲を提供することになった。

「スカイマークが大黒さんの『TAKE OFF』という曲の使用許可を頼んだことがきっかけです。彼女は札幌出身で北海道便も多いスカイマークに親近感があったようです。また、かつてパン製造会社の実家が民事再生法を申請したことも重なったようで、せっかくだから『TAKE OFF』をスカイマークの応援歌にしてしまおうということになり、大幅に歌詞を書き換えたんです」(スポーツ紙記者)

 統合される中学校と経営破綻からの復活を目指す航空会社に、闘病生活から歌手活動復帰を目指す大黒自身を重ね合わせていたのだ。

 スカイマークに曲を提供するにあたっては、4年半ぶりに本格的なレコーディングも行っている。

 スカイマークにこの曲について問い合わせると喜びを隠せない様子で答えてくれた。

「サプライズで送っていただいたビデオメッセージを見た弊社の社員は“オー”という歓声とともに喜んで曲も聴いておりましたね」

 作品を仕上げているところを見ると、復帰への道筋は着々と整えられつつあるようだ。大黒が講師を務めている『東京スクールオブミュージック専門学校』でも活動再開の動きが始まっている。

「26年前に開校して間もないときから、在学生のみに向けての講師としてご協力をいただいております。定期的ではなく、不定期開催の講義です。今までの講義内容や日程も今後、講師をしていただくスケジュールについても詳しくは申し上げられませんが、これからも大黒さんにはわが校の講師をしていただく予定ではあります」

 2月21日には、m.c.A・Tがデビュー21周年を記念して行ったライブに大黒の姿があった。

「ビデオでしたが、大黒さんがm.c.A・Tさんにお祝いメッセージを送っていました。実はこのイベント、本当は大黒さんが生ライブをする予定だったんです。でも、やはりまだ本調子ではないということで、急きょビデオメッセージでの出演になったそうです。本人は“m.c.A・Tさんの高音にハモれるのは私しかいない!”と意気込んでいたようなんですけどね……」(ライブハウス関係者)

 あの激しいテンポの『ボンバ・ヘッド!』を一緒に歌おうとしていたというのだ。そこで具体的な復帰へのスケジュールが決まっているのか、所属事務所に問い合わせた。

「活動休止当初よりは体調はよくなってきております。ただ、子宮疾患の治療や不妊治療も継続しており、定期的に病院にも通っている状況は変わっていません。中学校に校歌を贈ったり、スカイマークさんへの応援歌を歌わせてもらったりしていますが、あくまで彼女の個人的な活動です。アーティストの大黒摩季としての活動に関しましては、本人に復活の意向はございますが、CDリリース、ライブなどの具体的なめどは立っておりません」

 はっきりした予定は聞かせてもらえなかったが、本人の意志が固まっていることは確認できた。前述した会員向けのブログでは、もっとわかりやすい形でメッセージが書き綴られていた。

《実は去年の後半から、具体的にどこの誰とチームを組むかを決め、実際にコンタクトを取ったりカンファレンスを精力的に進めていました。お陰様で、年末の段階でほぼ意志と道が固まり、これより晴れて復帰に向け実質的に動きだすこととなります。今暫くはまだ、皆さんの目には見えない基礎工事ではありますが、私には大きな一歩をこの足で確かに踏み出せるので、最高の新年なのです》

 はっきりと、「復帰に向け実質的に動きだす」という宣言をしているのだ。さらに、歌手活動再開に向けての熱い思いが記されていた。

《人生で一番の壮大な夢に向かってアグレッシブに突き進ませて下さい》

 大黒の復帰への意志は、揺るぎのないものに見える。それなのに、なぜ公式な活動再開の発表がないのだろうか。

「大黒さんは“姫”なんで、制作サイドが意気込んで、“やるよ!”とはやし立てると、彼女は“やらない”となっちゃうんです。逆に静かにしていると、彼女から“やっぱりそろそろやろうかな”と言ってくるタイプ。スタッフも気を遣っています(笑い)」(前出・音楽業界関係者)