1998年に酒井法子と結婚。1児をもうけたプロサーファーの高相祐一。しかし’09年に覚せい剤取締法違反で逮捕、懲役2年、執行猶予4年の判決を受けた。その後、’10年に酒井とは離婚している。

 現在は友人の店舗を手伝うなどして、社会復帰を目指している彼が、週刊女性PRIMEで連載を開始! 第2回目は“理想の家族”がテーマ。


高相祐一
「できたみたい」

 そう言われたとき、本当に嬉しかった。一緒に暮らし始めて10月。だが、子供ができても、彼女は堕ろすつもりかと思っていた。

 それまで付き合っていた女のコと、結婚を意識したことはなかった。ちゃらんぽらんに見えるかもしれないけど、一度、女のコと付き合い始めると、俺は長く続く。最初のコは4年、次のコは8年。ちゃんと付き合ったのは、彼女が3人目だった。

 楽しく暮らしていければいいと思っていた。そして、彼女も俺との結婚なんて意識せずに、そう考えていると思っていた。俺は聞いた。

「どうする?」

「産みたい」

「じゃあ、結婚する?」

「うん」

 彼女と結婚できることも嬉しかった。だが、それに勝るとも劣らず、自分の子どもができたことが嬉しかった。あまり結婚を意識したことはなかったが、自分の子供は欲しかった。自分の家族をつくりたかったのだ。

 子どもの頃、俺は寂しかった。両親は2人とも、仕事人間で、家族の団らんはなかった。夕食はお手伝いさんがつくってくれるか店屋物で、1人で済ましていた。授業参観など、学校の行事にもほぼ顔を出してくれない。

 友だちに親の話を聞くと、羨ましかった。裕福だったかことは幸せだったかもしれないが、子供心に何かが足りないと感じていたのだと思う。

 ちゃんと話さなかったが、彼女もそういう気持ちがあったと思う――子供を中心にした、自分たちの家族をつくりたかったという。

 途中まで、うまくいっていた。彼女は仕事が忙しかったが、子供のことを一番、大切に考えてくれていた。俺も同じだった。

 ドラッグさえやらなかったら……いま思うと、自分の弱さが、悔しくてならない。自分でめちゃくちゃにしてしまった。

 すべて俺の責任だ。桜咲く春、ひどく孤独を感じている。