【タイムリー連載・フィフィ姐さんの言いたい放題】他国の市長と比較しても桁違いだという、破格の海外出張経費をはじめ、政治資金規正法違反の疑いの渦中にある東京都の舛添要一知事。一連の疑惑を受け13日、定例記者会見で釈明を行ったが、その内容は“精査”したとは言い難いものであった……。

東京都に目が向いていなかった舛添知事

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'14年の東京都知事選挙にて街頭演説を行う舛添要一氏

 次々と明るみに出る疑惑を受けてもなお舛添知事は、東京都知事の職を続行すると言っていますが、今やいったいそれを誰が望んでいるというのでしょうか。いつデモが起きてもおかしくないレベルのひどい話ですよね。

 そもそも彼の知事としてのこれまでの仕事を辿ってみても、これといった功績もなく、都民のために何をしてくれたのだろうと首を傾げざるを得ません。外遊ばかりで、東京都に目が向いているとは思えませんでした。

 そのうえファーストクラスを利用するなどの多額の海外出張費、公費で行く体調管理のためだという湯治。体調管理というのは、誰しも自費でやっていることですよね。

 それでもそれが正しいと思うのならば、最後まで貫き通せば良かった。謝るということは、悪いという自覚があったということになりますから。ファーストクラスだろうが、ビジネスクラスだろうが、エコノミークラスだろうが、もう乗らなくて結構。もはや、彼に知事を続行してほしいと望んでいる人なんていません。

 しかし、こうした不正は何も舛添知事ひとりに始まったことではありません。歴代の東京都知事たちはなぜ不祥事ばかり起こすのか。それは、東京で政治家をやるのはチョロいからです。

都民の都政への無関心さが、不正を生み出す

 もちろん舛添知事が悪いのは言うまでもありません。だけど、不正をしないようしっかりと監視する都民の目も欠けていた。ここまで彼を野放し状態にしていた都民にも問題があります。

 東京という土地柄、地方からの移住者も多くて他の地域とくらべて地元愛を持ちにくいという点は否めません。そしてこの地元愛の欠如、都政への無関心さこそが、東京で政治家をやるのはチョロいと彼らに思わせ、不正を行う隙を与えてしまう一因となっているのではないでしょうか。

 舛添知事にしても、歴代の知事にしても、都民はタレント性、ネームバリューで知事を選んできたところが少なからずあります。選んだ知事が不正をしたならば、再び新たな知事を選びなおせば済むことだと、安易に都知事選びをしてはいけません。都知事選を一回行うのにも、約50億円もの税金が使われるのですから。

 今回の件を受け、有権者側も反省をし、もっと都政に対して関心を持つ必要性を認識しましょうよ。不正をしないようしっかりと監視していくべきなんじゃないでしょうか。いくら地元愛が乏しくとも、東京都は日本の首都であり、世界的に見ても注目度の高い都市なのですから、その政治がチョロいというのは危惧すべきことですよ。

《構成・文/岸沙織》