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 違法カジノへの出入りを認め、今夏に行われるリオデジャネイロオリンピック出場の道が閉ざされた桃田賢斗。一方、先輩である田児賢一は常習性の高さから所属先を解雇され、バドミントン界から事実上の追放となった。

 今回のバドミントン選手による闇カジノ騒動は、ギャンブルにより相撲協会を追われた元関脇の貴闘力の目にはどう映っていたのだろうか。率直な感想を聞いてみた。

「あらためて、スポーツ選手はギャンブルが好きなんだなって思いましたね。でも、相撲と違って、バドミントンはまじめなイメージがあるからびっくりしたよね」

 そう驚きを隠さない。4月8日の会見で桃田は、

「自分もスポーツマンで勝負の世界で生きているので、ギャンブルに興味があり、やめられない自分がいました」

 と語っている。そのことには、貴闘力も納得する部分があるという。

「スポーツ選手は負けず嫌いというか、勝ちに対する執着心があるんですよね。企業の社長さんなんかも、似たようなところがあるかな」

 貴闘力といえば、ギャンブルで総額5億円負けたことを公言している。'10年に野球賭博に関わっていたことから相撲協会を解雇。

 '13年にギャンブル依存症のため経営する焼き肉店の給料を払えなくなり、ギャンブルから足を洗うことに。現在は11店舗の飲食店を経営する傍らギャンブルから抜け出すための講演を行っている。

「お医者さんやみんなに依存症だって言われてね。ギャンブルは確かに好きだと思うけど、病気じゃないって思っていました。でも、カジノで最後5000円しかないとしても、負けた分を何とか取り戻そうと1000円ずつちびちび賭けるんです。そこまで執着心が強い。普通なら5000円を食事代にすればいいんですけど、できないんです。それが依存症なんですよね」

 ギャンブルから離れた今も大金は持たないようで、財布の中は1万円のみ。クレジットカードも持たないという。そんな彼に、今回のことはどう映るのだろうか。

「桃田選手は若いから調子に乗るのはしょうがない。闇カジノが悪いとは思っているんだろうけど、そんな悪気があったわけではないでしょう。でも、失ったものは大きいよね。それだけ責任が重いってことなんだよね。

 それがわかるまでに1年はかかるんじゃないかな。このままずるずるダメになるか、バドミントンしかないって心から決めて一生懸命やるかは自分が決めることですよ。それまで、ほったらかしにしておけばいいんです。才能があるからって、周囲が過保護にするのはダメですよ」

 一方、バドミントン界を追放された田児についてはこう喝を入れる。

「田児選手は依存症の可能性が高いかもしれない。だから、周りにきちんと人をつけて、お金の管理をしっかりしてもらうということですよ。今回のことを笑って話せるようになるまで時間はかかるでしょう。1度はトップに立ったというプライドもあるでしょうし。

 でも、根は悪くないと思うよ。自分が全部罪をかぶるから、ほかの選手は何とか処分を軽くしてって思っているんだろうね。彼が一番、悪いことになっているけど、田児選手だって復活できる。こんなことになって、もし仕事がないなら、オレのところの焼き肉店で修業すればいいよ。2年くらいで、立派な焼き肉店のオヤジにしてやるから。まだまだ若いんだから大丈夫!」