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 9月19日から23日までのシルバーウイーク、4日間にわたる嵐の宮城コンサートが終了した。

 当初こそ、4日間で20万人以上の来県で交通機関の混雑、ホテル不足、また一般観光客への影響などが問題視されていた宮城コンサート。ところがふたを開けてみれば、『ひとめぼれスタジアム宮城』を中心とした県内は、重い空気を吹き飛ばす“嵐”旋風が巻き起こっていた。

 コンサート自体は、帰りの交通機関に配慮してか、いずれも夜7時半ごろに終了。まだ早めの時間ともあり、さぞ街中は興奮冷めぬファンでにぎわっているかと思いきや……。

「いや、SWは渋かった。通常の祝日のほうが人が出ていますね。嵐ファンは女性でしょう!? 国分町には来ないんじゃないかな」(仙台市の繁華街・国分町の飲食店員)

 さすがに女性グループだけでは行きにくい場所か。が、タクシー運転手に聞くと、国分町のとある店には「案内してほしい」というファンが続々。

「『一福』っていう牛タン屋なんだけど、何でも嵐の櫻井さんが来たことあるみたいで、何組か乗せて行きました」

 今年3月の『嵐にしやがれ』(日テレ系)で櫻井翔が同店で牛タンを食べていて、どうやらメンバーが訪れた地を追う“巡礼”ファンがいたようだ。記者も訪れてみたが、SW中は予約客しか受け付けていないとのこと。

 そして巡礼は、伊達政宗のお膝元、観光名所の仙台城跡にもおよぶ。こちらはファンクラブ会報で、同じく櫻井が相葉雅紀と訪れたのだとか。

「いつもよりお客さまがいらっしゃいましたね。たしかに嵐ファンの方が多かったです」(資料展示館受付)

 政宗像で記念写真の順番待ちをするファンたちが、手にしていたドリンクがある。

「ここに来たら絶対ずんだシェイクを飲むって決めていました。相葉ちゃんと翔くんも飲んだんですよ」(ファン)

 郷土料理のずんだをシェイクにした一品を求める長蛇の列に、店員の手は止まることはなかった。ほかに松島など、嵐を追うようにファンも追随、観光を楽しむ姿が見受けられたのだった。

「もしかしたら会報も、私たちファンにコンサートに行くだけじゃなく、観光を促す目的があったのかも。嵐はちゃんと被災地のことを考えていると思います」(別のファン)

 宮城県の村井嘉浩知事が打ち立てた経済効果は93億円。嵐の活躍ぶりは、その数字もまんざらではなかったとも思える。県庁の地域復興支援課を訪ねると、あらためての数字は出さないようだ。

「嵐のみなさんから“被災地の支援を続けていこう”という趣旨の挨拶もしていただき全国のみなさまからいろいろな形で支援をいただいております。今回、そんなみなさまへの恩返しとして、コンサートや宮城県を楽しんでいい思い出になっていただけたら、という意味では(イベントの成功を)達成できたのかと」

 では、来年の開催も?

「いえ、そこまではまだ何も(苦笑い)。ただ県内を回っていただいてわかると思うんですが、まだまだ震災復興の途上なんです。コンサートは別として、今後もいろいろな形で被災地を元気づけるような活動を嵐のみなさんにはお願いしたいとは思います」