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 6月初旬の夜10時ごろ、都内から少し離れた郊外の大型商業施設の前で『戦う! 書店ガール』(フジテレビ系)の最終回ロケが行われていた。

「このドラマはAKB48のメンバーで“まゆゆ”こと渡辺麻友と、稲森いずみがダブル主演をしています。同じ書店で働くふたりの女性が、ぶつかり合いながらも仕事と恋愛の困難を乗り越えていくというストーリー。書店のシーンはスタジオではなく、実際にある本屋さんで撮影していました」(テレビ誌ライター)

 書店の営業が終了してから撮影するため、連日深夜から朝にかけての収録。しかし、その苦労は報われなかった。

「視聴率が初回の6.2パーセントからどんどん落ちていき、第7話の時点で、平均視聴率4.8パーセントに。当初は全10話の放送予定でしたが、9話での打ち切りが決定しました」(前出・ライター)

 大撃沈を食らったのは、ドラマ初主演の渡辺麻友だけではない。

「今作では、書店員のひとりとして出演しているHey! Say! JUMPの伊野尾慧さんの知名度を上げるという狙いもありました。というのも、Hey! Say! JUMPはジャニーズ事務所で“ポスト嵐”といわれており、現在開催中の『ワクワク学校』にも一緒に出ています。そんな彼らの1人がAKB色の強いドラマに出るとあって、異例のキャスティングとも騒がれました」(スポーツ紙記者)

 驚きのキャスティングの裏にはこんなわけがあった。

「実は伊野尾さんは、今作が連ドラ出演2本目。すでに同じグループの山田涼介さんや中島裕翔さんが役者として名が知られる一方で、演技の面では“出遅れ”ぎみです。その差を埋めるという意味がありました」(前出・記者)

 なぜ、ほかのメンバーとの差がついたかというと、

「伊野尾さんはHey! Say! JUMPの活動をしながら、’09 年に明治大学に入学。理系の学科で課題が多かったために仕事をセーブしていたそうですが、’13 年に卒業。ここ1~2年でようやく活動の幅を広げられるようになったんです」(芸能プロ関係者)

 バラエティー番組では、ひょうひょうとした発言で“テキトー”と言われがちな伊野尾。だが、徹夜で課題を仕上げて現場に行くなど、並々ならぬ努力をして、ストレートで大学を卒業しているのだ。ドラマでも最後まで投げやりな態度は見せなかったという。

「クランクアップの日は夜通し撮影だったんです。ほかの演者たちがそれぞれ現場を上がる中、彼は朝8時にようやく終わったのですが、最後まで笑顔で疲れを見せずに爽やかでしたよ。スタッフにもきちんと挨拶をして、缶ビールで乾杯してから帰りました」(ドラマ制作スタッフ)