(平成25年国民生活基礎調査/厚生労働省より)
(平成25年国民生活基礎調査/厚生労働省より)

 便を提出して便潜血検査を受けるだけで、死亡率が60~80%下がる大腸がん。死亡数がNo.1だからこそ、早めに検査を受け、早期発見が大切だ。

「大腸がんの罹患者数は毎年10万人を超え、女性のがんの中で死亡原因の1位になっています。しかしながら、大腸がん検診を受診する人が少ないのが現状です。それは多くの人が、大腸がん検診と聞き、思い浮かべるのが、大腸内視鏡検査だからではないでしょうか」(坂本一博先生)

 集団検診で行われる大腸がん検診は便潜血検査。

「無症状のうちにこの検診を受診した人で、早期の大腸がんが発見される可能性が高く、その段階で治療すれば、ほぼ治癒することができます。この検診は大腸がん以外にも大腸ポリープ(良性腫瘍)を見つけ、治療につなげることができます」(坂本一博先生)

 便秘の人が大腸がんになりやすいと思われているが、便秘と大腸がんの関係は証明されていない。

「それより通常の排便習慣に変化があった場合のほうがリスクは高くなります。便秘の人が急に下痢になったり、下痢の人が急に便秘になったりした場合は、医療機関を受診したほうがよいでしょう」(坂本一博先生)

 また便に血が混ざっている場合も、痔などと自己判断せず、検査に行くことがベターだ。

〈大腸がんデータ〉

死亡数(2013年):21846人(女1位)

罹患数(2010年):50924人(女2位)

5年相対生存率:67.9%