汗ばむ季節の到来、ニオイ対策は万全ですか? 電車に乗れば見知らぬ男性の体臭や口臭、家に帰れば夫の加齢臭にウンザリというアナタ! 実は女性も40歳ごろから汗も体臭もキツくなる一方なんです! オシャレにキメてもメークを頑張っても、クサかったら台無し! 本気の対策、始めましょう! 最後は口臭編です。

■朝の口臭は当たり前。でも日中には適切なケアを

「起床直後の口臭はみなさん絶対にあるので、これは仕方がないこと。朝一番の口内は、うんち10g分もの雑菌の繁殖があると言われていますから。起きたらすぐに歯磨きをしてください」

 と話すのは口元美容のエキスパート、石井さとこ先生。ただし問題は、日中の口臭。原因は主に食べ物で、食べたもので口の中や舌の上が汚れると、口内の雑菌の栄養分となり、口臭とつながる。「適切なケアで“息美人”になりましょう!」(石井さとこ先生・以下同)

■舌の汚れが口臭の原因の6~7割!

 舌の上に食べ物が残っていると、イオウ系アミノ酸が発生し、口内の雑菌と合わさって、ニオイの強い口臭になる。

「舌の中央でさまざまな雑菌や食べ物の残量が合わさると、ガスのように口臭を周囲にふりまいてしまうのです」

 舌の上に残りやすいものといえば、コーヒー豆の粒子が典型だそう。

「細かいだけに、とれにくいから残るんです」

【対策】舌の筋肉を鍛えて食べ物の付着を防ぐ

 携帯電話・スマホの普及につれて、私たちは声を出して話すかわりにメールやラインでのやりとりが増え、結果として口を使わなくなった。

「口も舌も使わない生活をしていると、どんどん舌の筋肉が衰えて位置が下がり、食べ物が付着しやすくなります」

 口を閉じた状態で、舌が上あごについている状態が、舌の正常な位置。

「舌を鍛えるには、毎日、前歯の前で左右10回ずつ舌を回すのが効果的。ゆ~っくり行ってください」

【対策】舌ケアは、やりすぎないのが大事

 舌苔(ぜったい=舌の汚れ)をケアし、食べ物のカスなどを除去するのも有効。

「舌のお掃除は、やりすぎないのが大事。舌は粘膜ですから、ゴシゴシこすると味覚障害の心配や、傷ついて雑菌が繁殖して、さらに口臭がひどくなる可能性もあります」

 週に1回程度、濡らした麺棒で舌を外側に3回こする、もしくは専用シートでやさしくお手入れをするくらいが、ちょうどいい。

■加齢によるだ液のネバつきも原因に

 だ液も口臭を理解するための大きなカギとなる。だ液が足りないドライマウスは、口臭が伴う。

「赤ちゃんのだ液のようにサラサラしているものが理想的ですが、大人のだ液はネバついていることが多いんです。年をとるとどうしても、量・質ともに低下してしまうんですね」

 だ液は口内の抗菌・洗浄作用があり、食べ物の消化を助け、結果として口臭予防となる。

「ちなみに、起床直後に口臭がするのは就寝中はだ液の分泌が日中の50%程度で量が圧倒的に少ないから。口が渇くと口臭が出やすいのも、納得ですよね?」

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【対策】新鮮なだ液がジュワッと出るツボ

「だ液が出ないなと思ったら、その場でツボ押しをするのもいいんです。電車の中でもオフィスでもできますよ! だ液は美肌効果もありますからね。美容面でもオススメです」

 やり方は実に簡単で、両耳下にある凹みを、気持ちがいい程度に繰り返し押すだけ。みるみる、口の中にだ液がわくのが感じられる。

【対策】ガムを噛んでだ液を出す

「だ液は噛む動作で、どんどん出てきます。口が渇いたな、だ液が足りないなと思ったら、ガムを噛めばいいんです。『キシリトール50%』なんて商品を買えば、同時に虫歯予防もできちゃいますよ!」

【対策】毎日、穏やかな日々を送ればそれだけで◎

「ストレスや睡眠不足でも、だ液は十分に出なくなってしまいます。そんなときは特別なことをやるのではなく、当たり前の健康的な生活を心がけてください」

 起床後・就寝前にしっかり歯を磨き、3度の食事をキチンととり、アルコールはとりすぎず、日中は水分を適度にとり、口の中がネバついたなと思ったらガムを噛む……それだけで、ほとんどの口臭がスッキリ治るそう!

(取材・文/中尾巴 イラスト/柏屋コッコ)

〈お話を伺った先生〉

ホワイト ホワイト デンタルクリニック院長・石井さとこ先生 ●日本における歯のホワイトニングの第一人者。著書に『口元から美人になる52の法則』などがある。