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 スマホの使いすぎは万病のもと。便利に使いこなしているつもりのスマホに、現代人の多くは逆に使われている、知らぬ間にスマホに支配されているのではないか。医療関係者がそのように警鐘を鳴らす、スマホ発の体調不良が、ジワリジワリと利用者をむしばんでいるという。

「2014年の総務省のデータによると、スマホからのインターネット利用は、1日平均73分です。他の作業も入れると、多くの人が数時間は使っているかもしれません」

 川井筋系帯療法治療センターの川井太郎院長がデータをひも解くが、電車でもトイレでもスマホ、歩きスマホは当たり前で、食事中や入浴中もスマホを手放せないという“重症患者”もいる現代。ガラケー時代には問題にならなかった症状も発生している。

 さかいクリニックグループの酒井慎太郎代表院長は、こう警告する。

「スマホなどの長時間使用により、うつむき姿勢が続くと、本来あるはずの頸椎のカーブが消失し“ストレートネック”になり、首に過度な負担がかかります。症状が悪化すると、たった3~4か月でうつになる人もいます」

 放置した体調は、ストレートネック→肩や首のこり→筋肉が疲れ緊張性頭痛→めまい、耳鳴り、かすみ目→手のしびれ、握力の低下、首の痛み→足のしびれ、尿意・便意のコントロールが困難に→うつ症状へ……と悪化の一途をたどるという。

 川井院長は、「下を向き続けると、あごの位置が前方にズレてくる。二重あごになったり、ホウレイ線が出てきたりと、老け顔の原因になります」と、スマホの使いすぎによる老化を心配する。

 さらに酒井院長が危険性を指摘するのは『スマホひじ』という症状。

「手の甲を上向きにしてスマホ操作を続けると、手の腱がほうきみたいに集まっているひじが収縮を起こしてしまい、見た目には腫れていないのに痛みが出てきます」