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 1月のベッキーと人気バンド『ゲスの極み乙女。』の川谷絵音の騒動を皮切りに、芸能界での不倫スキャンダルが世間を賑わせた。

 第1子誕生直前に元タレントと不倫していたことが発覚した宮崎謙介元議員、長男誕生後に5人の女性と関係があったことを告白した乙武洋匡、お笑いコンビ・アンタッチャブル柴田英嗣の元妻とW不倫をしていた元ファンキーモンキーベイビーズのファンキー加藤、20歳年下の一般女性と密会していたことが報じられた円楽。

 そして、知人女性と一緒にいたラブホテルで覚せい剤取締法違反などの疑いで現行犯逮捕された高知東生と、今年になって数々の不倫が発覚している。

「(夫と女性との関係を)本当に情けない話ですけど、まったく想像できませんでした」

 会見でこう語り、最後まで“離婚”という言葉を口にしなかった高知の妻・高島礼子のように、夫の不貞を報じられ、女として、妻としてのプライドを傷つけられた女性たちも離婚を選択していない。

“夫は謝ってくれたから大丈夫”と思い込む女性

 彼女たちと同じように被害者となった女性たちの本音について、これまで1万5000件以上の相談を受けてきた夫婦問題相談室・横浜『Heart space』の不倫問題カウンセラー・永松太介氏に話を聞いた。

「うちにいらした方の98パーセントぐらいが、パートナーとやり直したい気持ちで来られます。浮気や不倫問題を解決したいと思っている方の相談に乗るセンターということもあると思いますが」

 同じく、同相談室代表カウンセラーの米山恵美氏は、こう話す。

「子どもには父親が必要だという観念、恥ずかしいという世間体。そして、金銭的なことから離婚を選択されないんです。いちばんは、相手の思いどおりになりたくないという強い思いですね。例えば、探偵を雇って証拠をおさえて、旦那を問い詰めたら“ごめんなさい”と謝ると思っている方が、ほとんど。

 でも、実際は、そうならないことが多い。謝罪はしてくれたがそっぽを向いている感じがすると相談に来られる方には、旦那は、まだ不倫相手と絶対につながっているから、もう1度調べたほうがいいと伝えます。でも、なかなか素直には聞いていただけないですね」

 “夫は謝ってくれたから、もう大丈夫”と、現実にフィルターをかけてしまう。中には、苦しい思いを抱えながら20年以上、そのまま生活を続ける女性もいるのだそう。

“不倫された”と思ったらネットで検索する時代

 深く信頼していた人からの裏切りに、正面から立ち向かう勇気を持つことは難しい。深い絶望を前にして、無気力状態や半狂乱になってしまう人も多いのでは?

「6~7年前までは“ショックで何もできません”という方が多かった。完全に壊れた状態で相談に来られた女性もいました。でも、いまはほとんどいません。時代が変わりましたね。“不倫された”と思ったら、すぐにネットで検索するんです。

 大きなコミュニティーができている“サレ妻(不倫された妻)”さんたちのブログを見たり、いろいろと情報を集めていくうちに、混乱して相談にいらっしゃる方がすごく多い」(米山氏)

「“この人、私に状況が似ている”とか“私より重症”と自分で判断するのですが、その観念を壊さないと、問題を解決することはできません。不倫というのは、最終的に相手の女性に子どもができてしまうこともあるし、殺人や自殺に至るケースもある。これだけ深刻なことだと伝えないと“私は、まだ大丈夫”と、動かないんです」(永松氏)

追い込まれて自殺するのは圧倒的に“男性”

 残念なことに、相談者の中には、命を落としてしまった人もいたのだそう。追い込まれたとき、自らの命を絶とうとするのは、実は圧倒的に男性。妻と愛人との二重生活でお金が必要になり、借金を重ねるなど、金銭的に追い詰められた結果が多いという。

「不倫していると“不倫脳”といって、だんだん感覚が麻痺していくんです。これはまた別の例ですが、子どもの友達のお母さんのように決して関係をもってはいけない女性たちと深い仲になっていることが発覚し、妻と娘から責められた父親が首をつって自殺未遂を起こしたこともありました」(米山氏)