メーカーのバイヤー時代に200社以上を担当した実績を持ち、コスト削減や仕入れの専門家として活躍中の経済評論家・坂口孝則さん。情報番組『スッキリ!!』(日本テレビ系)のコメンテーターとしてもおなじみです。

 坂口さんによると、欲しい商品をできるだけ安く手に入れる方法があるそう。

「実は、商品の価格の統計をとってみると、商品ごとに安くなる時期があるのがわかります。こういった底値になる時期を頭に入れておくと、高い時期に商品を買ってしまうことを避けられます」

 というわけで3回に分けて、家電のほか、家具や自動車、食料品、衣料などの底値が狙える時期について教えてもらいました。第2回はPC・自動車・家具編です。

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【パソコン】年末に向かって安くなる

 パソコンの価格は、テレビと同じで年末に向けて下がり続けていく傾向があります。欲しい商品があれば3か月待てば、価格がグンと下がるので、3か月は様子をみましょう。さらに、パソコンは炊飯器同様、家電量販店のオリジナルモデルのものがあれば、機能性がよく、価格が安いものが手に入るので、店員さんに聞いてみてください。週のうちいちばん安くなるのは日曜日で、なかでもヤマダ電機のネットショップは、競合他社の価格を伝えて、それより安くなるようネット交渉ができます。日曜日にヤマダ電機でネット交渉すれば、最安値で手に入る可能性が高くなります。

【プリンター】年賀状シーズンが始まる前の8月、9月に

 プリンターが必要とされる時期といえば、年賀状のシーズンです。プリンターはこの時期に向けて10月から価格が高くなってくるので、年賀状を印刷する予定があるなら、8月、9月に購入し、早くから準備をしておくのが賢明でしょう。しかし、プリンターは安く買ったからといって安心はできません。プリンターに必要なインク代が高いので、ふだんの印刷はカラーではなくモノクロにするなど、インクをムダ遣いしないよう心がけましょう。

【自動車】春と新春の2つの“春”の時期が安い

 3月決算の企業は、決算前に社用車を購入することが多いので、3月は法人需要が高まります。そのためこの時期は価格を下げないので、個人にとってはうまみがありません。法人需要がなくなる4月、5月になると、自動車メーカーは、個人の購入に頼らざるをえなくなり、価格が下がるので狙い目。11月と12月の年末商戦の時期も安くなるので要チェックです。最近は新車が発売されてから3か月たつと売れなくなり、価格が下がる傾向があるため、3か月待って買うのもおすすめ。

【家具】引っ越しシーズンの2月、3月をピークに下降

 家具を買い替えたり、新しい家具をそろえたりする時期は引っ越しシーズンの2月、3月です。当然、この時期は価格が高くなり、これは新品だけでなくリサイクル家具も同様です。4月から下がり始め、5月は現物展示品が増えて、安く買えることも。また、ヨーロッパの輸入家具の価格は為替の影響を受けますが、世間の円安、円高動向がすぐに反映されるわけではなく、少し時期がずれるのも特徴です。円高の時期に輸入されているものなら、ほかの家具の価格が上がっている時期でも、抑えめの価格で買える可能性もあります。

 ※明日はアパレルや酒類などの業界のからくりをご紹介します。

(ライター/紀和静 イラスト/ちんぱん)

〈プロフィール〉

坂口孝則(さかぐち・たかのり)●大阪大学経済学部卒業後、電機メーカー、自動車メーカーで調達・購買業務に従事。現在は未来調達研究所株式会社取締役。調達・購買業務コンサルタント、研修講師、講演家。「ほんとうの調達・購買・資材理論」主宰。著書は26冊に及び、テレビ番組でも活躍。