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 これまでは地域で決められていた電力会社としか契約ができなかった電気が、4月からの自由化で、自分で選択することができ、新たに参入する会社とも契約できることになる。そこで、街の人の声を聞いてみた。

「電気使用量の多い家庭は、今より年間3~10%は安くなると聞いているので待ち遠しい。いろいろなプランが発表されているので、どれを選ぶか迷いそうだけど楽しみです」(40代・女性)

「電気だけでなく、ガスや通信などと組み合わせることで、さらに割安になる『セット割』に期待しています。わが家は3世帯で車を3台所有しているので、ガソリンと電気のセット割に申し込む予定です」(30代・女性)

 2016年話題のキーワードと言われているのが「トリプルセット割」「セット割」なる言葉。電気+通信+ガスというように、同じ会社でセット契約をすれば、それぞれが割引されるため、世帯人数が多い家庭などは年間数万円のコスト削減が実現できるという。

「新メニューの多くは、Tポイントなど、ポイントも付与されるのでお得感がありますよね。自分がよく使うポイントと提携している電力会社を選びたい」(20代・女性)

 新しい試みが始まれば、当然、疑問や不安も生まれるわけで。電力自由化に抵抗感を覚える人からは、こんな意見が。

「新しい電力会社に変えたものの、停電しやすくなったりしないか不安。倒産したら、わが家だけ真っ暗になったりしないの?」(50代・女性)

「携帯電話会社が電気を売るとCMで見かけるものの、映像が派手なだけで、どういう仕組みなのかさっぱりわからない。本当に電気を供給できるのか?」(40代・男性)

 でも、“会社によって停電しやすい”“会社によって電気の質が異なる”なんてことは一切ないのでご安心を。生活を支えるインフラだけに気になる人が多いのは当たり前。

「新しく始まることだから、少なからず不備が生じるのは仕方ないって割り切っています。それよりも原発を利用した電気と訣別できるのがうれしい。どういうプロセスで作られた電気なのかわかるので、環境を考える機会でもあると思っています」(40代・女性)

「東京電力など、大手電力会社の寡占状態が崩れることに意義がある。競争力がなければ価格競争は生まれない。値上がりする電気料金に従うほかなかった状況が終わるだけで万歳したい」(50代・男性)

 電力自由化は家計や財布のことだけを考える機会ではなく、地球やエネルギーについても考えるいいきっかけになるかもしれない。

「さまざまなプランを掲げる新しい電力会社が誕生しているけど、通信自由化のときも同じだった。結局は淘汰され、大手に絞られるのは明白。インフラ事業は信頼と実績があってこそ。私たちも目先のサービスに惑わされてコロコロと電力会社を変えるのではなく、しっかりと長い目で見ていかなければいけないと思います」(50代・女性)