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 夏休みに海外旅行へ出かけると、慣れ親しんだ土地とは全然違う食文化やサービス、ルールに驚いたり、日本で外国人旅行客のとんでもない振る舞いにイラッとしたりしたことはあるだろう。

 そこで日本人が驚く、世界のびっくり常識を教えてもらった。

【中国】2人目の出産は条件つき

 1979年から始まった中国の『ひとりっ子政策』。2人目を産めば罰金が科されたため、出生届を出さずにこっそり子育てする親も。しかし近年、日本と同じ問題に悩んでいるようだ。

「急激な少子高齢化と労働力不足が深刻になり、夫婦のどちらかがひとりっ子なら、2人目の出産が認められるようになりました。ただ、再婚の場合、規定は省ごとにまちまち。罰金が地方行政の大事な財源になっていたからです」(世界の雑学に詳しいライター、のり・たまみさん)

 今年5月、以前の配偶者との間に子どもが1人いた女性教師が、再婚相手と2人目の子どもをつくった際に、“中絶しなければ免職処分”と、省の担当部署から脅しを受けたことがニュースに。2人目の出産を無条件で認めるように求める声は少なくない。

【シンガポール】夜間に公共の場で飲酒したら罰金

「今年4月より、午後10時半から翌午前7時まで公共の場での飲酒が禁止されました。飲食店でお酒を飲むことはできますが、小売店でお酒を販売することは許されていません」(トラベルジャーナリスト・寺田直子さん)

 違反者には約17万円相当の罰金と最大3か月の禁錮刑も科されるというから重い罪。観光客にも適用されるので注意が必要だ。

 そもそも、ガムを食べることやゴミのポイ捨ても違法になるシンガポール。なぜ、飲酒まで禁止に?

「1年ほど前、酔っ払ったインド人の移民がバスの運転手と口論になって、殺人事件に発展したことがきっかけ。アジアの中でいちばん規制が厳しい国なんです」(寺田さん)

 治安悪化に加え、東南アジアに暮らす約2億人のムスリムへの配慮から、タイやインドネシアでも飲酒規制が進んでいる。

【マレーシア】殺人犯は遺体を埋葬し、遺族の世話をすれば許される!?

 日本をはじめとする多くの国では、いろいろな事件の犯人を法によって処罰する仕組み。なかでも殺人は、どの国でも重罪として裁かれている。

「マレーシアのオラン・アスリという民族は、殺人犯への対応が一風変わっています。被害者の遺体を犯人が掘って埋葬し、被害者の家族の面倒を見ることで、罪に問われない場合もあるのです」(江戸川大学・斗鬼教授)

 これは、復讐による殺人が繰り返されないようにするため。

「殺人者は殺してしまった人の身代わりとなって、その後の人生を生きることになります。罪を一生忘れることもできず、悲しみに暮れる被害者家族の世話もし、それが罪滅ぼしととらえられてきたのです」(斗鬼教授)