著者に直撃!

柴門ふみさん「草食男子増加の背景に過保護な母親の影」

2016年02月11日(木) 16時00分
〈週刊女性2016年1月19日号〉
2016年02月11日(木) 16時00分
〈週刊女性2016年1月19日号〉

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■取材を重ね、現代の恋愛事情をすくい取る

 中高年の不倫や草食男子、だめんずに振り回される美女や才女の実態など、現代のリアルな恋愛事情を描いているのが柴門ふみさんの最新刊『大人恋愛塾』。これまで『大人の恋力』、『大人のための恋愛ドリル』と大人シリーズで恋愛エッセー本を2冊上梓している柴門さんだが、『大人恋愛塾』では新しい試みに挑戦しているという。

「今までの恋愛エッセーでは、周りの人から聞いたエピソードをまとめていたのですが、本著の大半は取材をして書きました。初対面の方に“あなたの恋愛を教えてください”とぐいぐいと斬り込んでお話を聞かせていただいたんです」

 本書には20代から60代まで、総勢40人以上の恋愛エピソードが紹介されている。キャリアウーマンの銀行員は“半沢直子さん”、妻に先立たれた資産家の60代男性は“矢藻目氏”など、いずれの登場人物もわかりやすい名前で記されているので、どの逸話もすんなりと頭に入ってくる。

「いちばんインパクトが大きかったのは、千人斬りを達成しているといわれている日本有数のモテ男の話ですね。噂には聞いていたのですが、偶然、話をする機会に恵まれたんです。彼は、寝ているとき、遊び相手の女性にのど元に包丁をつきつけられ“あなたを殺します”と言われたことがあるそうなんです。彼は“いま、おまえが俺を殺したら、もう俺には会えないよ”と言って、絶体絶命のピンチを乗り切ったそう。そんなセリフ、並の男では言えないですよね」

 取材をすることでナマの声を聞き、時代の空気感を肌で感じたことは興味深い経験だったと振り返る。

「例えば、恋愛ツールのひとつにFacebookなどのSNSが活用されていたり、時代によって恋愛事情は変わるものなんですよね。でも一方で、普遍的な男女の機微も相変わらず存在しています。女性は“年金にも入っていない男とは付き合えない”と現実的なのに、男性は“なんだかんだいっても、初恋の彼女のことがいちばん好きだ”とロマンを追い求めていたり……。取材を通して、恋愛における男女差が顕著にわかったのもおもしろかったですね」

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■草食男子増加の背景に過保護な母親の影が

 本書では、「ゆとり世代」「さとり世代」と呼ばれる若い世代の恋愛事情も紹介されている。柴門さんは草食男子にも取材をしており、その背景を次のように分析する。

「いまの20代のお母さんの大半は50歳前後の年代だと思いますが、この世代の女性は、社会進出はしたものの不平等でつらい目に遭った人が多いように感じます。だから、子どもを自分のような目に遭わせないよう、危険なことから遠ざけてしまうんです。

 結婚願望がある女の子はある程度、恋愛に積極的になれると思うのですが、男の子は傷つくことが怖いあまり恋愛に消極的になってしまうのでしょう。子どもは母親の影響を受けて育ちますから、ある程度、突き放すくらいの気持ちでいるほうがいいのかもしれませんね」

 柴門さんは以前から、“少子化対策ひとりNPO活動”を行っており、本書でもその活動ぶりを垣間見ることができる。

「以前は年に2~3組はカップルを作っていたのですが、最近はちょっと調子が悪いんです。本書にも書いたのですが、ルックスも収入も並み以上なのに、結婚したがらない40代、50代の男性が増えているんですよね。特に都会に住んでいる男性は自分なりに居心地のいい場所を見つけやすいですし、食事にも困りませんから、奥さんがいなくても快適に暮らせるんです。

 一方、適齢期を過ぎた女性は“いい人だけど顔が好みじゃない”“ある程度はお金を持っている人じゃないと”と条件にこだわっていますから。男女ともに自分のスタイルを崩そうとしない点が少子化の一因ではないかと思います」

 本書は「小説新潮」の読み切りの連載として書かれていたため、どこから読んでも楽しめる。ただし、『大人恋愛塾』というタイトルだけに、話の順序には意味があるそうだ。冒頭のタイトルは“『死の棘』夫婦”。過去の不倫をあばきたてる妻と延々と謝り続ける夫の姿を描いた小説『死の棘』を彷彿とさせる内容となっている。

「まずは基本を学びましょうということで、時代を超えた男女の愛憎劇を冒頭にもってきました。“死ぬ前にもう1度恋をしたい”と思っても、奥さんにバレるとこうなりますよという戒めを込めています(笑い)」

 本書のエピソードは、柴門さんというフィルターを通して厳選されているだけに、中身はかなり濃い。

「読者の方には、“いま、日本でこんなことが起きてますよ”と声を大にして伝えたいですね。もう1度恋愛をしようと思っていただいても、息子への接し方を考えようと思っていただいてもいいですし、何をどうとらえるかは読んだ方の自由です。恋愛というのは、人間の中にある動物部分のぶつかり合いだと思っていますから。ちょっと自分の動物的な部分を解放したり、かつての恋愛を思い出すだけでも、人はうつにもならず、案外、幸せに生きていけるような気がします」

取材・文/熊谷あづさ
撮影/吉岡竜紀

〈著者プロフィール〉
さいもん・ふみ。1957年、徳島県生まれ。お茶の水女子大卒。1979年に漫画家デビュー。若者たちの恋愛をテーマに『東京ラブストーリー』『あすなろ白書』『同窓生――人は、三度、恋をする――』など多くの作品を発表している。また、『大人の恋力』『大人のための恋愛ドリル』『サイモン36の法則』『恋愛論』『青春とはなんだかんだ』などエッセー集も多数。ペンネームは中学時代からファンだったポール・サイモンに由来している。

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