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 人形と言われなければ、本物にしか見えない猫。製作したのは、猫人形作家の佐藤法雪さん。

「以前、母親にリアルな犬のぬいぐるみを購入しプレゼントしたところ、すごく喜んでくれたんです。そこで次は猫を……と探したけどなかったんですよ。じゃあ、自分で作るしかないな、と思って」

 もともと物作りが好きだったという彼。

「リアルな猫のぬいぐるみは作るのは無理だよ、と周りから言われたんですけど、人生かけてやればいつかできるんじゃないかな、と(笑い)。初めは粘土彫刻で始めたんです。その時から、どうすれば毛並みを表現できるかと考えていまして。植毛の方法を試しているときにフェルトを使った、フィルティング・ニードル(※)に出会ったんです」

 試行錯誤の中、たどり着いたのが粘土のかわりに手芸綿を使う方法。

「針金で骨格を作り、綿で肉づけして羊毛を絡めて毛並みを表現するのが私のやり方です」

 読者が自分で作るには?

「本当にリアルな猫を作ろうとしたら、2年くらいは勉強しないとできませんが、作ること自体はそんなに難しくはありません。製作の時間も1か月くらいでできますし、材料費も綿とフェルトと針金くらいなので、1000~2000円くらい。最近は飼っている猫とそっくりの猫人形を作りたいという方も増えているので、興味のある方は気軽に始められます」

※針の表面にとげのついた、特殊な形状をした針で、ふわふわの羊毛をチクチクと刺して小さい塊(フェルト化)にするもの。

撮影/佐藤靖彦