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 今年の箱根駅伝で39年ぶりの完全優勝という偉業を果たした青山学院大学。その5区を走った主将・神野大地選手は三代目“山の神”と呼ばれ、2年連続の優勝に大きく貢献した。

 そんな大地選手には幼いころから慕い、愛する祖母の存在が。地元・愛知県から“アツすぎる”エールを送っていた名物おばあちゃんに大地選手のマル秘エピソードをたくさん聞いてきた。

 今年も青山学院大学の軸となったのは、やっぱり神野大地選手だった。ストイックで人一倍、努力家の彼を愛知県の名古屋から見守ったのが、祖母の磯部安江さん。

「大地は中途半端なことが嫌いで、どうやればうまくなれるのかを一生懸命考えて、努力を惜しまない子。“努力は裏切らない”というのが座右の銘なんです」

 安江さんは名古屋中央市場で88年続く老舗鶏肉店をご主人とともに守る経営者。

「大地はウチのもも肉のから揚げが大好きなんです。ステーキ、から揚げ、茶わん蒸し、あの子が来たら好きなものをすべて用意しますね。大地の食べている姿を見るのがいちばんの幸せなんです」

 相撲好きとしても知られる安江さんは、角界で縁起がいいといわれる鶏肉で大地選手にも運を注入する。

 昨年は8月13日に帰省した。実家は愛知県津島市内だが、車で30分ほどの場所にある安江さんの家も訪れる。

「去年は無理がたたって、2月と6月に疲労骨折をしたんです。だから“12月の出雲と来年の箱根は無理かも”と言っていました。私は、出られなくてもケガを治してくれたほうがうれしいからって言って。帰り際にも“アーチャン、やっぱり出られないわ”って言っていたんです」

 大地選手は、安江さんのことをアーチャンと呼ぶ。

「おばあちゃんと呼ばれるのは嫌いだったので、大地が生まれる前から娘に“アーチャンと呼ばせてほしい”と言っていました。いつまでも元気でいたいと思っているので」

 大地選手が幼稚園でおばあちゃんとおじいちゃんの絵を描く課題を出された際に、安江さんの顔だけを描かなかった。なぜなのかと安江さんが聞いたところ、こんな答えが。

「“だって、おばあちゃんの顔を描きなさいって言われたから、アーチャンの顔は描けないよ”と答えたのにはビックリ。私の顔がないのは寂しかったんですが(笑い)」