作家志望のダンナ(佐々木蔵之介)とヨメ(永作博美)は17年間、気が置けない友達だったが、ついにゴールイン! その直後に妊娠とヨメのがんが発覚。怒濤の育児と闘病生活の末、入籍から493日目にヨメは他界してしまう……。日本中が応援した闘病ブログが、このたび映画化されることに。

──10年ぶりに夫婦役での共演と聞き、どう思った?

佐々木「永作さんはよく知ってるので、安心してできる。"よかった、うれしい"と思いましたね」

永作「私も安心してできるなと思いました。相手がしっかり受け止めてくれる方だと自分も自由になれるので。今回、ボケ・ツッコミのような掛け合いが多く、やはり関西の方は、その気質が空気のように出てくる感じがあって。いちばん最初にセリフを交わしたときに、“佐々木さんで本当に助かった”と思いましたね」

佐々木「それは知らなかったな(笑い)」

──では、佐々木さんが永作さんに助けられた場面もあった?

佐々木「永作さんの役は大変なんですよ。病気でどんどん衰弱していかなきゃいけないし、苦しいことを演じるって、精神も身体もそれに引きずられていく。それでも頑張る演技をするわけなので。そんな永作さんに対して、けっこう僕は弱音を吐いてたみたいで(笑い)」

永作「弱音というか、世間話ですよ(笑い)」

佐々木「“あれはしんどかった”みたいな話を聞いてくれて(笑い)。あと、永作さんがご自身で淹れたコーヒーを現場でふるまってくれたときは、すごく気が楽になって。助けられましたね。豆とか淹れ方とか、勉強されてるんですよ」

永作「フフフ。ちょっと濃さを変えてみたりとか。やってみました」

──撮影は大変だった?

永作「原作はダンナによる、ヨメの闘病ブログなんですが、この映画では四十九日の前日に死んだはずのヨメが出てくるんです。そして2人で、過去の2人のいろんなシーンを見ながら、“あの時、本当はどう思っていたか”“あの時、言えなかった気持ち”などを話していくんです」

佐々木「つまり、ひとつのシーンに2回登場してるので、単純に倍時間がかかる。出演スケジュールもギッチギチで、まさにフーフーな現場でしたね(笑い)。でも、これがこの作品の醍醐味だと思います」

──(息子役の)赤ちゃんがぐずったりして大変ではなかった?

永作「もうママを認識していたので、誰が抱いても泣くのはしかたがないですね」

佐々木「でも、どの家族でも赤ん坊中心の時間が流れるんだと思うんですよね。それに笑ってくれると“あぁ、笑ってくれた”“いい画が撮れた”と思いましたし、それはそれで楽しく過ごしていました」

──2児の母である永作さんに対し、独身の佐々木さんは、ひょっとして子どもと接するのは苦手だったり?

佐々木「僕は甥っ子も姪っ子もいますから、子どもをそこまで恐れながら抱くことはなかったとは思うんですけど……」

永作「そうなんです! すごいなと思いました。おっかなびっくりで抱く方が多い中で、慣れていらっしゃるのかなと思いましたね」

佐々木「慣れてはいないでしょ(笑い)」

──見る人に伝えたい思いを。

佐々木「僕はダンナ役で、死んでからもヨメに助けられている。"今を笑って生きよう""今、そばにいる人を大切にしよう"と思える希望にあふれた作品です」

永作「この作品で、時間の尊さとはかなさを改めて感じました。本当に時間ってどんどん過ぎる。だから、今、この一時がとても大事だということを、改めて感じてもらえる作品になればいいなと思ってます」

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『夫婦フーフー日記』5月30日(土)公開 新宿ピカデリーほか全国ロードショー©2015川崎フーフ・小学館/「夫婦フーフー日記」製作委員会


撮影/伊藤和幸【佐々木】ヘアメーク/西岡達也(ビタミンズ) スタイリング/勝見宜人(Koa Hole Inc.)【永作】ヘアメーク/光倉カオル(dynamic)スタイリング/鈴木えりこ(iELU)