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 余命1年と宣告されていた川島なお美さんが“墓友”をつくっていたり、“独身子なし”のマツコと天海が老後に同じマンションで住む計画を明かすなど、芸能人もお墓や老後は切実な問題のようだ。

 そこで芸能人たちが出した斬新なアイデアや意外な計画と、現代のお墓&終活事情について取材した。

「川島さんは生前、俳優の奥田瑛二さんと安藤和津さん夫妻、作曲家の三枝成彰さん、元政治家の与謝野馨さんたち約10名のメンバーで『墓友』を結成していました。余命1年と知っていたこともあり、お墓への思いも真剣だったようです」(スポーツ紙記者)

 9月24日に54歳で亡くなった川島なお美さん。その早すぎる死がもたらした波紋のひとつに『墓友』がある。

「仲のよい者同士で同じ墓地の一画を買い、残ったメンバーやその子どもたちがお花や線香をあげたり、掃除をして守っていこうというものです。川島さんは鎧塚俊彦さんとの間に子どもがいなかったので、一緒のお墓に入りたい思いはあっても誰が面倒をみてくれるのか悩んでいました。奥田さんから誘いを受けたとき、墓友がみてくれるならと安心したそうです」(前出・スポーツ紙記者)

 川島さんは桜の季節に、墓友たちと連れ立って墓参りを経験。そのあとは近くのお店で、宴会をしていた。

「購入には至りませんでした。というのも、鎧塚家の墓は関西地方にあり、新しい墓の購入には慎重になっていたんです。でも、やはり川島さんの意思を尊重したいということで、今後、購入予定だとか」(前出・スポーツ紙記者)

 たしかに、日本では明治以降、先祖代々の墓を子々孫々が受け継いでいくという形式が主流に。それ以外の墓のあり方は、あくまで少数派だ。

 終活・葬送ジャーナリストの吉川美津子さんも「川島さんのパターンは、区画の問題や値段、宗教観、死生観がかかわってくるので、まだ一般的とはいえません」と解説。

「ただ、生前から交流を持ち、お墓に対する思いを同じくしていた人たちが集合墓へ入るというケースはあります」

 さらに“シェア墓地”“コミュニティー墓地”など聞き慣れない言葉も飛び出した。

「石塔は1つしかないのですが納骨室がいくつもあって、各家庭で入れるようになっているものです。手を合わせることが違和感なくできるので、従来のお墓参りの感覚も残しています」(吉川さん)

 こうしたお墓事情の変化には、少子高齢化などの社会状況が関係しているという。

「近年、いちばん多い悩みは“今あるお墓をどうしよう”ということ。例えば、夫婦がひとりっ子同士で2つも3つも守っていけない。遠方にあるので墓参りに行けない。未婚の場合や、結婚や離婚を繰り返していて誰が守ったらいいかわからないケース。外国人と結婚した場合などです」(吉川さん)

 そこで最近、脚光を浴び始めているのが“継がなくてもいいお墓”だ。

「ほかの人と一緒に入る集合スタイルの墓だったり、親族に代わってお寺や自治体が供養してくれるロッカータイプの納骨堂もそのひとつ。いわゆる永代供養墓というものですね。個別の墓でも10~20年など期限が設けられて、それ以降は別の場所に移すタイプなどもあります。おひとりさまだけでなく、ご夫婦で買われる方もいますよ」(吉川さん)

 現代のニーズに合っているということか、すでにある墓を整理してこのタイプの墓を買う人も。いわゆる“墓じまい”と呼ばれる現象だ。

「今あるお墓から遺骨を取り出して新しいお墓に移したり、お寺に遺骨を預けて墓をたたみ、自分は新しいお墓に入ったり。その結果、今も年間で約20万~25万の墓石が新しく建っているんです」(吉川さん)

 そんな中、芸能人はお墓への意識も個性的だ。

「歌手の島倉千代子さんのお墓は生前に建てられ、黒い石造りのモニュメントで中央には《こころ》と書かれています。裏側には自分の名前《島倉千代子》と、結婚前に堕胎した子どもにつける予定だった名前《島倉忍》という文字が並んで彫ってありますよ」(吉川さん)