高齢者とペットの問題

猫の保護活動に影響する高齢化 飼い主がしておきたい備え

2015年11月23日(月) 05時00分
〈週刊女性12月1日号〉
2015年11月23日(月) 05時00分
〈週刊女性12月1日号〉

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 猫の保護活動にもジワリと影響しているのが、人、そして猫の「高齢化」だ。来るべき日に備えて、猫そして犬の飼い主がしておきたいこととは。

「老人ホームに入るから猫を引き取ってほしい」「親が認知症になった。飼っていた猫の世話はどうすればいいのか」。近年、「ねこねこ110番」に増えているのが、こうした高齢化に伴う相談だ。

 エサや飼育環境の改善により、猫は最近では20年ほど生きる。その間に飼い主が急逝する、要介護になる、入院するなどして、飼いきれなくなった人が急増しているのだ。

 もちろん、猫を愛するがゆえ、健やかで理性あるうちに、備えたいという人もいる。ある80代の女性は、飼っている猫を引き取ってほしいと東京キャットガーディアンに電話をしてきた。

 山本さんが準備を整え、お迎えにあがったところ、背筋を伸ばして、凛とした姿の女性が。必要な書類を交わし、無事に引き取ったと思ったが、翌朝、仰天するような電話がかかってきた。

「開口一番、“私が間違っていました”と泣くんです。続けて、とにかく猫を返してくれと懇願する。人間の気持ちって、一種類じゃないんですよね。猫を手放す気持ちも、一緒にいたい気持ちも、その人にとっては本物なんでしょう。ただ、私は猫のことを考えて、頑として譲りませんでした。結局、30分くらいお話しして、最後は冷静になって電話を切っていただきました」

 こうした高齢者とペットの問題は、今後、ますます増えるだろうと山本さんは言う。では、愛する猫や犬たちのため、飼い主はどのような備えをすればいいのだろうか。

「ひとつは身もフタもありませんが、お金です。例えば、負担付遺贈、ペット信託などでしょう。これは動物のお世話を、遺産相続の条件としたもの。本人の意思がはっきりしているうちに、きちんと備える必要があります」

 もうひとつは、信頼できる受け入れ先の確保だ。

「最近では老犬・老猫ホームなども話題ですが、費用が安すぎるものは末期ケアなども考え合わせれば、とても仕事としては成り立ちません。私どもでは“再譲渡の可能性がある比較的若い成猫”に関して1匹16万3000円をいただいていますが、これは1年間飼育するのに必要な最低金額です。一括で追加の費用請求はありませんが、これを高齢のペットに対応できるシステムにするために、新たな企画を準備しています」

 そして、こう繰り返す。

「必要なのは、システムなんです。高齢犬も高齢猫も信頼できる受け入れ先があれば、解決できる問題です。私どもでもやりたいこと、できることは山のようにある。これから、こうした高齢猫・犬の信頼できる受け入れ先もつくっていきたい」と力説する。

 眠らない猫シェルターは、今日もまた電話を受け、悩み、現実と格闘しながら、猫の命を救っている。

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